中屋敷 智生 Information

Folklore / 2024 / Oil, acrylic, solid marker, tape on canvas / 910 × 730 mm

この度、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生が 11月23日(土) から12月14日(土) までの期間、“YIRI ARTS” (台北, 台湾) にて、中屋敷智生個展「内と肉」を開催いたします。
https://nakayashiki.wixsite.com/tomonari

中屋敷 智生 個展
内と肉

​会 場:YIRI ARTS 伊日藝術計劃 B1
会 期:2024年11月23日(土) – 12月14日(土)
休廊日:日曜日、月曜日
時 間:14:00-19:00
場 所:台北市内湖区新明路 86 巷 1 号 114030​
M a i l :gallery@ms.yiri.com.tw
W E B :https://yiriarts.com.tw/
主 催:YIRI ARTS
レセプション:11月23日(土) 15:00-19:00

■ ​ギャラリー・インビテーション:YIRI ARTS
中屋敷 智生 | NAKAYASHIKI Tomonari https://nakayashiki.wixsite.com/tomonari
1977年大阪府生まれ、京都市在住。2000年に京都精華大学美術学部造形学科洋画分野を卒業して以来、国内外の展覧会やアートフェアに多数参加してきました。また、作家活動の傍ら、アーティスト・ラン・オルタナティブ・スペースの運営や、グループショーなどの企画も手がけています。

近年は、絵具と同じ画材・メディウムとしてマスキングテープを使用しており、コラージュのようなレイヤーとテクスチャーを持つ絵画作品を数多く発表しています。図と地の関係が常に入れ替わるようなこの手法によって、対象を視覚的に認識することの不確かさや、絵画と鑑賞者という伝統的な二元論を超えた絵画作品のあり方を探求しています。この機会にご高覧いただけますと幸いです。

■ ​内と肉:中屋敷智生
ある日の散歩道で、「内と肉という字は似ているなあ」とぼんやり考えていました。そこで、わたしは「内と肉」の関係について考察を深めてみることにしました。

「内」と「肉」という字は、形状が似ているだけでなく、意味の面でも共通点があるように思えます。それは、両者のベクトルがいずれも内側へ向いているという点です。しかし、内側へのベクトルがそれ単体で成立することはなく、対照となる外側の存在が必ず前提されています。内と外は互いに依存し、対立することで共存するのです。

この視点を、わたしは西田幾多郎の「場所」という哲学的概念から学びました。「場所」とはすべての存在が現れる基盤であり、主体と客体、内と外、肉体と精神といったあらゆる対立を超えた場です。「場所」は対立を許さず、すべてが一体となる土台であるため、ここでは内と外が融合しているのだと考えられます。

絵画に向けるまなざしも同様に、内と外を同時に含み持っています。そのまなざしは、一見すると自分の外側にある客体としての絵画へ向けられているかのように思えますが、実は主客を超えて存在するものです。絵画とは、こうした純粋なまなざしを可能にする「場所」なのであり、わたしの絵画もまた、このようなまなざしが漂う場であって欲しいと願っています。

■ ​画像
Folklore / 2024 / Oil, acrylic, solid marker, tape on canvas / 910 × 730 mm