中屋敷 智生 Information

この度、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生は、6月4日(水) から6月29日(日)までの期間、BUG (東京) にて開催される「中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉​」に、出展いたします。新作の大型絵画を展示いたしますので、ぜひご来場いただけますと幸いです。

アートワーカー(企画者向け)オンラインプログラム「CRAWL」選出企画
中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉​

​会 場:BUG(株式会社リクルートホールディングス)
会 期:2025年6月4日 (水) – 6月29日 (日)
休廊日:火曜日
時 間:11:00 – 19:00
入場料:無料
場 所:東京都千代田区丸の内1-9-2  グラントウキョウサウスタワー1F
アクセス:JR東京駅八重洲南口から徒歩3分
     東京メトロ京橋駅8番出口から徒歩5分
     東京メトロ銀座一丁目駅1番出口から徒歩7分
     ※ BUGには駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。
W E B :https://bug.art/
主 催:BUG(株式会社リクルートホールディングス)
企 画:高内 洋子

◾️ トークイベント「世界を捉えることと描くことのあいだ」*手話通訳・文字通訳あり
開催日:2025年6月14日 (土)
時 間:18:00 から20:00まで
登壇者:光島 貴之、中屋敷 智生、杉浦 幸子(武蔵野美術大学・教授)
司 会:高内 洋子

◾️ 対話型鑑賞 *手話通訳あり
見えない人・見えにくい人・見える人が一緒に展示作品を言葉で鑑賞します。
① 開催日:2025年6月15日 (日)
  時 間:14:00 から16:00まで
ファシリテーター:白鳥 建二(全盲の美術鑑賞者/写真家)、光島 貴之
 定 員:12名​

② 開催日:2025年6月28日 (土)
  時 間:14:00 から16:00まで
ファシリテーター:光島 貴之
  定 員:12名

◾️ ​同時開催 「中屋敷智生✕光島貴之 パラリズム “Pararhythm”」
会 期:2025年6月14日 (土) – 7月12日 (土)
レセプション:6月13日 (金) 18:00 – 20:00
会 場:KOKI ARTS
場 所:東京都千代田区東神田1-15-2 ローズビル1F 

◾️ 概要
本展覧会では、全盲の光島貴之、色弱の中屋敷智生という独自の仕方で世界を捉える二人の美術作家を取り上げ、〈みる〉ということについてあらためて意識を向けてみる機会を作ります。
光島は、木板に連なって打ち込まれた釘の傾きや高低差によって街の姿を表現します。それは光島が白杖を使って歩いたり、日々生活する中で得たイメージを手ざわりという別の感覚に置き換えたものです。一方の中屋敷は、「遠くにあるものは小さく見える」「過去と未来を同時に見ることはできない」といった知覚の常識を解きほぐしながら、彼独自のトーンでモチーフに新しい存在の仕方を与えます。
本展覧会では作品に直接手で触れることができます。さまざまな感覚をひらいて鑑賞する体験は〈みる〉こととの新しい出会いをもたらし、私たちの共通(だと思っていた)認識の更新を促すでしょう。鑑賞者の中でより豊かな世界像が築かれていく未来に、本展覧会が寄与できればと願っています。
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◾️ 企画者
● 高内 洋子 Yoko TAKAUCHI
兵庫県生まれ、京都府在住。関⻄学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学。博士(哲学)。重症心身障害児施設、グループホーム、ホームヘルパーなど障害のある人と関わる業務に携わりながら、2012年より全盲の美術家・光島貴之の専属アシスタントとして作品制作のサポートをおこなう。2020年より、アートギャラリー兼制作アトリエ「アトリエみつしま」マネージャーを兼任。施設運営管理および展覧会やワークショップなどの企画を担う。携わる主な企画として、展覧会「それはまなざしか」(2021年、アトリエみつしまSawa-Tadori)、「まなざしの傍ら」(2023年、同会場)、「今村遼佑×光島貴之感覚をめぐるリサーチ・プロジェクト〈感覚の点P〉展」(2025年、東京都渋谷公園通りギャラリー)。ワークショップ「視覚に障害のある人・ミーツ・アート」(2021年〜)、「ぎゅぎゅっと対話鑑賞」(2023年〜)ほか。趣味は知恵の輪。
*高内洋子による展覧会の制作過程で思ったことや、アーティストの紹介などをしていく連載記事をnoteにて掲載中!
https://note.com/bug_art/n/n9a7cc9567a9d

◾️ アーティスト
● 中屋敷 智生 Tomonari NAKAYASHIKI
1977年大阪府生まれ、京都市在住。2000年京都精華大学美術学部造形学科洋画分野卒業。2007年とよた美術展’07(豊田市美術館、愛知)審査委員賞。国内を中心に、韓国、台湾、イギリス、フランスなどのグループ展やアートフェアに参加多数。近年では絵具と同様のメディウムとしてマスキングテープを使用し、独特のコラージュ的なレイヤーとテクスチャーのある絵画作品を手がける。
*中屋敷智生 WEBサイト https://nakayashiki.wixsite.com/tomonari

● 光島 貴之 Takayuki MITSUSHIMA
1954年京都府生まれ。10歳頃に失明。大谷大学文学部哲学科を卒業後、鍼灸院開業。鍼灸を生業としながら、1992年より粘土造形を、1995年より製図用ラインテープとカッティングシートを用いた「さわる絵画」の制作を始める。98アートパラリンピック長野、大賞・銀賞。近年は、連なって打ち込まれた釘の傾きや高低差により街の姿を表現したレリーフの組作品などを発表している。
*アトリエみつしま WEBサイト https://mtsm.jimdofree.com/
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◾️ BUG(株式会社リクルートホールディングス)
「CRAWL」は、株式会社リクルートホールディングスが運営するアートセンターBUGが行っているアートワーカー(企画者向け)のためプログラムです。
企画書をコミュニケーションツールとして、メンターとの壁打ちや参加者同士のネットワーク構築などアートワーカーの機会と場をつなぎ、未来へつづくつながりを形成していくことを目的としています。
プログラムを通じてブラッシュアップした企画書を参加者全員で読み合い、投票にて選出された2つの企画を1年弱の準備期間を設けて開催します。
実践することを重視する本プログラムは、「企画」という構想から実行まで責任を担う文化芸術の役割にフォーカスしています。

中屋敷 智生 Information

この度、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生は、6月7日(土) から6月29日(日)までの期間、2kw gallery (滋賀) にて開催される「中井 浩史×中屋敷 智生×田中 真吾〈粋な枠〉」に、出展いたします。新作の大型絵画を展示いたしますので、ぜひご来場いただけますと幸いです。

中井 浩史×中屋敷 智生×田中 真吾〈粋な枠〉
会 場:2kw gallery
会 期:2025年6月7日 (土) – 6月29日 (日)
休廊日:月.火.水
時 間:13:00 – 19:00(最終日17:00まで)
入場料:無料
場 所:滋賀県大津市音羽台​3-29-1
W E B:https://2kwgalleryinfo.wixsite.com/2kwtop
主 催:2kw gallery

◾️ ​トークイベント
ゲスト:はが みちこ(アート・メディエーター)
開催日:2025年6月22日 (日)
時 間:16:00 から
ゲストトーク終了後には参加者も交えての歓談を予定しています。​​

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「絵画」の意味を問いかけることは少し後にしよう。しかし、ギャラリーに来て、そこにどんな意味も見出せない時、人は此処には二度と来ないだろう。だからドゥルーズの言う「絵画の冒険」を目指して、彼らにライプニッツの「モナド的絵画」の実現を期待した。それは単純実態が他の細胞に包まれて複合化し、より強度に変化してゆく状態を意味する。「絶対的自己矛盾としての絵画」の実現には彼らの力が必須の条件であり、「器官なき身体」としての絵画の登場を期待します。(2kw gallery / 金子 正二)

◾️ ​アーティスト
● 中井 浩史 Hiroshi NAKAI
ドローイング(いまここに線を引くこととそこから生まれるものを見ること)を基点として制作をしたり、人と関わる活動を続けている。2024にはドローイングユニット<入道雲/SAKURAI R + NAKAI H >を結成する。2025「ハッピーニュウ廃屋/舞台 出張入道雲」(谷文化にて野外ライブドローイング)「春休みの入道雲」(バイソンギャラリーにてドローイングハプニング)、2024「ドローイング、絵画、その辺りのもの」(MEDIA SHOP gallery2にて個展、アンビエントミュージシャンkm:との共演)、「カオの出自」(GALLERY301にて個展)、2023「Form and Pulse 2」(2kw galleryにて個展)など。
*中井浩史 WEBサイト https://jydkr594.wixsite.com/works-hiroshi-nakai

​● 中屋敷 智生 Tomonari NAKAYASHIKI
1977年大阪府生まれ。京都市在住。2000年京都精華大学美術学部造形学科洋画分野卒業。国内外の展覧会やアートフェアに参加多数。アーティスト・ラン・オルタナティブ・スペースの運営や、グループショーなどの企画も手がける。近年は、絵具と同じ画材・メディウムとしてマスキングテープを使用しており、コラージュのようなレイヤーとテクスチャーを持つ絵画作品を数多く発表している。図と地の関係が常に入れ替わるようなこの手法によって、対象を視覚的に認識することの不確かさや、絵画と鑑賞者という伝統的な二元論を超えた絵画作品のあり方を探求している。
近年の主な展覧会に、2025年「中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉」(BUG 株式会社リクルートホールディングス / 東京)2024年「内と肉」(YIRI ARTS / 台北, 台湾)2024年「ばからくう」(2kw Gallery / 滋賀)など。
*中屋敷智生 WEBサイト https://nakayashiki.wixsite.com/tomonari

● 田中 真吾 Shingo TANAKA
1983年大阪府生まれ。大津市在住。2008年京都精華大学芸術研究科博士前期過程洋画専攻修了。制作に火を用いることで、燃焼が生み出す偶然性や、消失と生成の関係性を作品に取り入れることを試みている。近年はそこから派生し、消失と生成を「描き、消す」行為に読み替えた絵画など、様々な形態の作品を横断的に制作している。また、大学附属美術館の学芸員として多数の展覧会を企画・運営している。
近年の主な展覧会に、個展「ツァラトゥストラ」(2024、2kw gallery/滋賀)、「STRIDES by strokes」(2023、eN arts /京都)、「たれそかれ」(2021、A’holic/東京)、「VOCA展2019」(上野の森美術館)など。
*田中真吾 WEBサイト https://shingotanaka.net/

池上 恵一 Information

この度、ASK + POST 所属作家の池上 恵一は、5月17日(土) から6月14日(土)までの期間、Gallery Nomart (大阪) にて、個展「Prayer」を開催いたします。

池上 恵一
Prayer
会 場:Gallery Nomart
会 期:2025年5月17日 (土) − 6月14日 (土)
休廊日:日曜・祝日
時 間:13:00 – 19:00
場 所:〒536-0022 大阪市城東区永田3-5-22
M a i l:info@nomart.co.jp
W E B:https://www.nomart.co.jp/index.php
主 催:Nomart,Inc.

◾️ イベント
⚫︎ Opening Party & Talk Event
  2025年5月17日 (土) 18:00 – *予約・料金とも不要
  Talk:池上恵一 Keiichi Ikegami x 稲垣元則 Motonori Inagaki (美術作家 Artist)

⚫︎ Closing Live : Prayer (Solo Piano Improvisation)
  2025年6月14日 (土) open 19:00 / start 19:30 –
  charge : adv. 2,000円 / door. 2,500円 *予約制 / 定員30名
  act : sara (.es) piano, perc.
  >> Live詳細・ご予約

◾️ 概要:
異端の作家・池上恵一のギャラリーノマル初個展!
美術界の“コリ”をほぐす、漆黒の宇宙

池上恵一は、身体とその内側にある圧力や「凝り」をテーマとした、独自の作品を一貫して発表し続けてきた作家です。
幼少期に病弱だった池上は、健康への関心を深める中で、さまざまな手技療法や武術を習得しました。父の旅立ちの際に触れた感覚は、彼の創作活動の原動力となっています。他者の身体に触れて感じ取ったエネルギーは、手指で描く木炭ドローイングや彫塑に落とし込まれ、さらにパフォーマンスや舞台美術への参加、ワークショップの開催など、ジャンルを超えた多岐にわたる活動/表現へと展開されてきました。

従来のアートの枠や文脈には収まりきらない唯一無二の道を歩み続ける池上は、岡本太郎現代芸術賞特別賞の受賞をはじめ、海外での作品発表でも高い評価を受けています。近年は、作家としての表現の純度・強度をさらに深めたアプローチで注目を集めています。

2024年2月、ノマル前ディレクター・林聡(11月に急逝)が約20年ぶりに池上と再会。特異にして一貫した池上の作家性は林の心を鷲掴みにし、すぐに初の版画集「生命掌(せいめいしょう)」をノマルの版画工房で出版。続いて個展「Prayer」決定と、2024年の2月〜10月末まで、池上とノマルは対話を重ね、実に濃密な関係を築き上げました。
そんなノマルとのコラボレーションで生まれた「Prayer」シリーズは、ガネーシャ、シーサー、日本刀といった精神の深層を象徴するモティーフを礎に、池上が手や指で漆黒のアウラを塗り込めた木炭ドローイング作品です。

本展では、その「Prayer」シリーズと立体作品を中心に、池上の全人生=作家人生を空間全体に表出させるインスタレーションを発表します。黒の濃淡に囲まれた空間で、触れること、感じること、そして祈ることを通じて、生の繋がりに迫ろうとする池上の比類なき表現のエネルギーを感じていただければ幸いです。

また、会期初日には、互いに同志と認め合う美術作家・稲垣元則とのトークショーを開催します。二人の対話を通じて、池上作品への理解が一層深まることでしょう。
さらに最終日には、前ディレクター林と共に池上と交流を深めてきたピアニストsara(現ディレクター・今中規子)が、池上の作品世界と共振する音楽ライブを行います。
異端を貫く作家、池上恵一の記念すべきノマルデビュー展。ぜひご高覧のほど、よろしくお願いいたします。

[作家コメント]

凝りとは何だろう。

幼いころ、私はよく体調を崩していた。
そんな私を、両親は食養法と思想で支えてくれた。
その経験を通じて、私は病気やストレス、そして「凝り」について考え続けてきた。

元気なときと、そうでないとき。
その違いは、身体の内側の圧力や呼吸のあり方にあるのかもしれない。
親族が旅立つ前、私はその変化を肌で感じた。
それ以来、指圧を通して手で感じたものを、再び手を使ってデッサンに落とし込み、
さらに彫塑へと展開させている。

「生きている」というより、「生かされている」。
生命の力と「凝り」は、いつもセットになっていて、日々あふれ出しているように思う。
私は、その働きをかたちにしたい。

今展「祈り」について

誰かに触れるとき、私は祈るような気持ちで手を動かしている。
ただ“凝り”をほぐすためではない。
私は生命の力とともに生まれるかたちをすくい出し、描くことができるー
それは、喜びと感謝を込めた、祈りでもある。

私という個人を超えた存在が息づくとき、祈りは芸術作品となる。

池上恵一 Keiichi Ikegami

[個展に寄せて]

活力と憂いの中にある池上恵一の作品には、近いとか遠いなどという距離はない。
それは常に私たちに触れている。
触れることが伝えるのは、あたたかく柔らかいこと。そしてつめたく硬くなること。それは強い実存を伝えるとともに喪失という運命も伝える。
人生のさまざまな道のりを経てこその厳しく冷徹な眼差しで向き合う彼の態度は、扱うにはとても難しい言葉ではあるけれども、彼の底のない優しさだと言っていいと思う。

稲垣元則 Motonori Inagaki(美術作家)