中屋敷 智生 Information

この度、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生は、6月4日(水) から6月29日(日)までの期間、BUG (東京) にて開催される「中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉​」に、出展いたします。新作の大型絵画を展示いたしますので、ぜひご来場いただけますと幸いです。

アートワーカー(企画者向け)オンラインプログラム「CRAWL」選出企画
中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉​

​会 場:BUG(株式会社リクルートホールディングス)
会 期:2025年6月4日 (水) – 6月29日 (日)
休廊日:火曜日
時 間:11:00 – 19:00
入場料:無料
場 所:東京都千代田区丸の内1-9-2  グラントウキョウサウスタワー1F
アクセス:JR東京駅八重洲南口から徒歩3分
     東京メトロ京橋駅8番出口から徒歩5分
     東京メトロ銀座一丁目駅1番出口から徒歩7分
     ※ BUGには駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。
W E B :https://bug.art/
主 催:BUG(株式会社リクルートホールディングス)
企 画:高内 洋子

◾️ トークイベント「世界を捉えることと描くことのあいだ」*手話通訳・文字通訳あり
開催日:2025年6月14日 (土)
時 間:18:00 から20:00まで
登壇者:光島 貴之、中屋敷 智生、杉浦 幸子(武蔵野美術大学・教授)
司 会:高内 洋子

◾️ 対話型鑑賞 *手話通訳あり
見えない人・見えにくい人・見える人が一緒に展示作品を言葉で鑑賞します。
① 開催日:2025年6月15日 (日)
  時 間:14:00 から16:00まで
ファシリテーター:白鳥 建二(全盲の美術鑑賞者/写真家)、光島 貴之
 定 員:12名​

② 開催日:2025年6月28日 (土)
  時 間:14:00 から16:00まで
ファシリテーター:光島 貴之
  定 員:12名

◾️ ​同時開催 「中屋敷智生✕光島貴之 パラリズム “Pararhythm”」
会 期:2025年6月14日 (土) – 7月12日 (土)
レセプション:6月13日 (金) 18:00 – 20:00
会 場:KOKI ARTS
場 所:東京都千代田区東神田1-15-2 ローズビル1F 

◾️ 概要
本展覧会では、全盲の光島貴之、色弱の中屋敷智生という独自の仕方で世界を捉える二人の美術作家を取り上げ、〈みる〉ということについてあらためて意識を向けてみる機会を作ります。
光島は、木板に連なって打ち込まれた釘の傾きや高低差によって街の姿を表現します。それは光島が白杖を使って歩いたり、日々生活する中で得たイメージを手ざわりという別の感覚に置き換えたものです。一方の中屋敷は、「遠くにあるものは小さく見える」「過去と未来を同時に見ることはできない」といった知覚の常識を解きほぐしながら、彼独自のトーンでモチーフに新しい存在の仕方を与えます。
本展覧会では作品に直接手で触れることができます。さまざまな感覚をひらいて鑑賞する体験は〈みる〉こととの新しい出会いをもたらし、私たちの共通(だと思っていた)認識の更新を促すでしょう。鑑賞者の中でより豊かな世界像が築かれていく未来に、本展覧会が寄与できればと願っています。
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◾️ 企画者
● 高内 洋子 Yoko TAKAUCHI
兵庫県生まれ、京都府在住。関⻄学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学。博士(哲学)。重症心身障害児施設、グループホーム、ホームヘルパーなど障害のある人と関わる業務に携わりながら、2012年より全盲の美術家・光島貴之の専属アシスタントとして作品制作のサポートをおこなう。2020年より、アートギャラリー兼制作アトリエ「アトリエみつしま」マネージャーを兼任。施設運営管理および展覧会やワークショップなどの企画を担う。携わる主な企画として、展覧会「それはまなざしか」(2021年、アトリエみつしまSawa-Tadori)、「まなざしの傍ら」(2023年、同会場)、「今村遼佑×光島貴之感覚をめぐるリサーチ・プロジェクト〈感覚の点P〉展」(2025年、東京都渋谷公園通りギャラリー)。ワークショップ「視覚に障害のある人・ミーツ・アート」(2021年〜)、「ぎゅぎゅっと対話鑑賞」(2023年〜)ほか。趣味は知恵の輪。
*高内洋子による展覧会の制作過程で思ったことや、アーティストの紹介などをしていく連載記事をnoteにて掲載中!
https://note.com/bug_art/n/n9a7cc9567a9d

◾️ アーティスト
● 中屋敷 智生 Tomonari NAKAYASHIKI
1977年大阪府生まれ、京都市在住。2000年京都精華大学美術学部造形学科洋画分野卒業。2007年とよた美術展’07(豊田市美術館、愛知)審査委員賞。国内を中心に、韓国、台湾、イギリス、フランスなどのグループ展やアートフェアに参加多数。近年では絵具と同様のメディウムとしてマスキングテープを使用し、独特のコラージュ的なレイヤーとテクスチャーのある絵画作品を手がける。
*中屋敷智生 WEBサイト https://nakayashiki.wixsite.com/tomonari

● 光島 貴之 Takayuki MITSUSHIMA
1954年京都府生まれ。10歳頃に失明。大谷大学文学部哲学科を卒業後、鍼灸院開業。鍼灸を生業としながら、1992年より粘土造形を、1995年より製図用ラインテープとカッティングシートを用いた「さわる絵画」の制作を始める。98アートパラリンピック長野、大賞・銀賞。近年は、連なって打ち込まれた釘の傾きや高低差により街の姿を表現したレリーフの組作品などを発表している。
*アトリエみつしま WEBサイト https://mtsm.jimdofree.com/
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◾️ BUG(株式会社リクルートホールディングス)
「CRAWL」は、株式会社リクルートホールディングスが運営するアートセンターBUGが行っているアートワーカー(企画者向け)のためプログラムです。
企画書をコミュニケーションツールとして、メンターとの壁打ちや参加者同士のネットワーク構築などアートワーカーの機会と場をつなぎ、未来へつづくつながりを形成していくことを目的としています。
プログラムを通じてブラッシュアップした企画書を参加者全員で読み合い、投票にて選出された2つの企画を1年弱の準備期間を設けて開催します。
実践することを重視する本プログラムは、「企画」という構想から実行まで責任を担う文化芸術の役割にフォーカスしています。

中屋敷 智生 Information

この度、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生は、6月7日(土) から6月29日(日)までの期間、2kw gallery (滋賀) にて開催される「中井 浩史×中屋敷 智生×田中 真吾〈粋な枠〉」に、出展いたします。新作の大型絵画を展示いたしますので、ぜひご来場いただけますと幸いです。

中井 浩史×中屋敷 智生×田中 真吾〈粋な枠〉
会 場:2kw gallery
会 期:2025年6月7日 (土) – 6月29日 (日)
休廊日:月.火.水
時 間:13:00 – 19:00(最終日17:00まで)
入場料:無料
場 所:滋賀県大津市音羽台​3-29-1
W E B:https://2kwgalleryinfo.wixsite.com/2kwtop
主 催:2kw gallery

◾️ ​トークイベント
ゲスト:はが みちこ(アート・メディエーター)
開催日:2025年6月22日 (日)
時 間:16:00 から
ゲストトーク終了後には参加者も交えての歓談を予定しています。​​

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「絵画」の意味を問いかけることは少し後にしよう。しかし、ギャラリーに来て、そこにどんな意味も見出せない時、人は此処には二度と来ないだろう。だからドゥルーズの言う「絵画の冒険」を目指して、彼らにライプニッツの「モナド的絵画」の実現を期待した。それは単純実態が他の細胞に包まれて複合化し、より強度に変化してゆく状態を意味する。「絶対的自己矛盾としての絵画」の実現には彼らの力が必須の条件であり、「器官なき身体」としての絵画の登場を期待します。(2kw gallery / 金子 正二)

◾️ ​アーティスト
● 中井 浩史 Hiroshi NAKAI
ドローイング(いまここに線を引くこととそこから生まれるものを見ること)を基点として制作をしたり、人と関わる活動を続けている。2024にはドローイングユニット<入道雲/SAKURAI R + NAKAI H >を結成する。2025「ハッピーニュウ廃屋/舞台 出張入道雲」(谷文化にて野外ライブドローイング)「春休みの入道雲」(バイソンギャラリーにてドローイングハプニング)、2024「ドローイング、絵画、その辺りのもの」(MEDIA SHOP gallery2にて個展、アンビエントミュージシャンkm:との共演)、「カオの出自」(GALLERY301にて個展)、2023「Form and Pulse 2」(2kw galleryにて個展)など。
*中井浩史 WEBサイト https://jydkr594.wixsite.com/works-hiroshi-nakai

​● 中屋敷 智生 Tomonari NAKAYASHIKI
1977年大阪府生まれ。京都市在住。2000年京都精華大学美術学部造形学科洋画分野卒業。国内外の展覧会やアートフェアに参加多数。アーティスト・ラン・オルタナティブ・スペースの運営や、グループショーなどの企画も手がける。近年は、絵具と同じ画材・メディウムとしてマスキングテープを使用しており、コラージュのようなレイヤーとテクスチャーを持つ絵画作品を数多く発表している。図と地の関係が常に入れ替わるようなこの手法によって、対象を視覚的に認識することの不確かさや、絵画と鑑賞者という伝統的な二元論を超えた絵画作品のあり方を探求している。
近年の主な展覧会に、2025年「中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉」(BUG 株式会社リクルートホールディングス / 東京)2024年「内と肉」(YIRI ARTS / 台北, 台湾)2024年「ばからくう」(2kw Gallery / 滋賀)など。
*中屋敷智生 WEBサイト https://nakayashiki.wixsite.com/tomonari

● 田中 真吾 Shingo TANAKA
1983年大阪府生まれ。大津市在住。2008年京都精華大学芸術研究科博士前期過程洋画専攻修了。制作に火を用いることで、燃焼が生み出す偶然性や、消失と生成の関係性を作品に取り入れることを試みている。近年はそこから派生し、消失と生成を「描き、消す」行為に読み替えた絵画など、様々な形態の作品を横断的に制作している。また、大学附属美術館の学芸員として多数の展覧会を企画・運営している。
近年の主な展覧会に、個展「ツァラトゥストラ」(2024、2kw gallery/滋賀)、「STRIDES by strokes」(2023、eN arts /京都)、「たれそかれ」(2021、A’holic/東京)、「VOCA展2019」(上野の森美術館)など。
*田中真吾 WEBサイト https://shingotanaka.net/

池上 恵一 Information

この度、ASK + POST 所属作家の池上 恵一は、5月17日(土) から6月14日(土)までの期間、Gallery Nomart (大阪) にて、個展「Prayer」を開催いたします。

池上 恵一
Prayer
会 場:Gallery Nomart
会 期:2025年5月17日 (土) − 6月14日 (土)
休廊日:日曜・祝日
時 間:13:00 – 19:00
場 所:〒536-0022 大阪市城東区永田3-5-22
M a i l:info@nomart.co.jp
W E B:https://www.nomart.co.jp/index.php
主 催:Nomart,Inc.

◾️ イベント
⚫︎ Opening Party & Talk Event
  2025年5月17日 (土) 18:00 – *予約・料金とも不要
  Talk:池上恵一 Keiichi Ikegami x 稲垣元則 Motonori Inagaki (美術作家 Artist)

⚫︎ Closing Live : Prayer (Solo Piano Improvisation)
  2025年6月14日 (土) open 19:00 / start 19:30 –
  charge : adv. 2,000円 / door. 2,500円 *予約制 / 定員30名
  act : sara (.es) piano, perc.
  >> Live詳細・ご予約

◾️ 概要:
異端の作家・池上恵一のギャラリーノマル初個展!
美術界の“コリ”をほぐす、漆黒の宇宙

池上恵一は、身体とその内側にある圧力や「凝り」をテーマとした、独自の作品を一貫して発表し続けてきた作家です。
幼少期に病弱だった池上は、健康への関心を深める中で、さまざまな手技療法や武術を習得しました。父の旅立ちの際に触れた感覚は、彼の創作活動の原動力となっています。他者の身体に触れて感じ取ったエネルギーは、手指で描く木炭ドローイングや彫塑に落とし込まれ、さらにパフォーマンスや舞台美術への参加、ワークショップの開催など、ジャンルを超えた多岐にわたる活動/表現へと展開されてきました。

従来のアートの枠や文脈には収まりきらない唯一無二の道を歩み続ける池上は、岡本太郎現代芸術賞特別賞の受賞をはじめ、海外での作品発表でも高い評価を受けています。近年は、作家としての表現の純度・強度をさらに深めたアプローチで注目を集めています。

2024年2月、ノマル前ディレクター・林聡(11月に急逝)が約20年ぶりに池上と再会。特異にして一貫した池上の作家性は林の心を鷲掴みにし、すぐに初の版画集「生命掌(せいめいしょう)」をノマルの版画工房で出版。続いて個展「Prayer」決定と、2024年の2月〜10月末まで、池上とノマルは対話を重ね、実に濃密な関係を築き上げました。
そんなノマルとのコラボレーションで生まれた「Prayer」シリーズは、ガネーシャ、シーサー、日本刀といった精神の深層を象徴するモティーフを礎に、池上が手や指で漆黒のアウラを塗り込めた木炭ドローイング作品です。

本展では、その「Prayer」シリーズと立体作品を中心に、池上の全人生=作家人生を空間全体に表出させるインスタレーションを発表します。黒の濃淡に囲まれた空間で、触れること、感じること、そして祈ることを通じて、生の繋がりに迫ろうとする池上の比類なき表現のエネルギーを感じていただければ幸いです。

また、会期初日には、互いに同志と認め合う美術作家・稲垣元則とのトークショーを開催します。二人の対話を通じて、池上作品への理解が一層深まることでしょう。
さらに最終日には、前ディレクター林と共に池上と交流を深めてきたピアニストsara(現ディレクター・今中規子)が、池上の作品世界と共振する音楽ライブを行います。
異端を貫く作家、池上恵一の記念すべきノマルデビュー展。ぜひご高覧のほど、よろしくお願いいたします。

[作家コメント]

凝りとは何だろう。

幼いころ、私はよく体調を崩していた。
そんな私を、両親は食養法と思想で支えてくれた。
その経験を通じて、私は病気やストレス、そして「凝り」について考え続けてきた。

元気なときと、そうでないとき。
その違いは、身体の内側の圧力や呼吸のあり方にあるのかもしれない。
親族が旅立つ前、私はその変化を肌で感じた。
それ以来、指圧を通して手で感じたものを、再び手を使ってデッサンに落とし込み、
さらに彫塑へと展開させている。

「生きている」というより、「生かされている」。
生命の力と「凝り」は、いつもセットになっていて、日々あふれ出しているように思う。
私は、その働きをかたちにしたい。

今展「祈り」について

誰かに触れるとき、私は祈るような気持ちで手を動かしている。
ただ“凝り”をほぐすためではない。
私は生命の力とともに生まれるかたちをすくい出し、描くことができるー
それは、喜びと感謝を込めた、祈りでもある。

私という個人を超えた存在が息づくとき、祈りは芸術作品となる。

池上恵一 Keiichi Ikegami

[個展に寄せて]

活力と憂いの中にある池上恵一の作品には、近いとか遠いなどという距離はない。
それは常に私たちに触れている。
触れることが伝えるのは、あたたかく柔らかいこと。そしてつめたく硬くなること。それは強い実存を伝えるとともに喪失という運命も伝える。
人生のさまざまな道のりを経てこその厳しく冷徹な眼差しで向き合う彼の態度は、扱うにはとても難しい言葉ではあるけれども、彼の底のない優しさだと言っていいと思う。

稲垣元則 Motonori Inagaki(美術作家)

OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025

「A.S.K. – Atelier Share Kyoto + Alt Space POST」は、2025年3月1日(土)から2日(日)までの期間、「京都府、京都新聞、ARTISTS’ FAIR KYOTO 実行委員会」が主催する「OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025」に参加いいたします。また、会期中の二日間には、参加スタジオ全6カ所を巡ることのできるガイド付きバスツアーも実施されます。
「OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025」は、参加スタジオの多彩なアーティストの作品や制作環境を間近で体験することのできる貴重な機会です。アートに興味をお持ちの方々は、ぜひこの素晴らしいイベントをお見逃しなく!なお、各スタジオには、駐車場がございませんので、公共交通機関をご利用いただくか、お車でお越しの際は近くのコインパーキングをご利用ください。

OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025
会 期:2025年3月1日(土)- 3月2日(日)
時 間:10:00 – 18:00
料 金:無料
会 場:京都市内スタジオ6カ所
主 催:京都府、京都新聞、ARTISTS’ FAIR KYOTO 実行委員会
助 成:令和6年度内閣府デジタル田園都市国家構想交付金
​お問い合わせ:ARTISTS FAIR KYOTO 実行委員会事務局
電 話:075-414-4222(9時から17時 土日祝を除く)
メール:bungei@pref.kyoto.lg.jp
W E B:京都アートラウンジWEBサイト

◾️ 参加スタジオ
1. A.S.K.–Atelier Share Kyoto +Alt Space Post (京都市右京区)
2.  MIO YAMATO STUDIO(京都市北区)
3. 銀月スタジオ(京都市左京区)
4. 吉祥院スタジオ(京都市南区)
5. 京都孔版 (京都市伏見区)
6. スタジオハイデンバン (京都市伏見区)
⇒『参加スタジオMAP』は、こちら

◾️ スタジオ探検ツアー
OPEN ARTISTS’ STUDIOの期間中、6つの参加スタジオをめぐるバスツアーを開催いたします。京都市中心部エリア3ヶ所を巡るツアーと、伏見・南区エリア3ヶ所を巡るツアーがあります。両方参加することで 1日かけて全てのスタジオを巡ることが可能です。
また、京都のスタジオやアーティスト事情に精通するアートユニット「副産物産店」がバスツアー案内人として同行いたします。京都のアートの裏側が知れるバスツアーに是非ご参加ください。

<全4回>
・3月1日(土) 9:00~12:30(京都市中心部エリア)
・3月1日(土) 13:30~17:00(伏見・南区エリア)
・3月2日(日) 9:00~12:30(伏見・南区エリア)
・3月2日(日) 13:30~17:00(京都市中心部エリア)

京都市中心部エリア/銀月スタジオ、MIO YAMATO STUDIO、A.S.K. – Atelier Share Kyoto + Alt Space Post
伏見・南区エリア/吉祥院スタジオ、京都孔版、スタジオハイデンバン

<参加方法>
料 金:無料
定 員:各回40名まで *定員に達し次第申込受付を締め切ります。
言 語:日本語
ツアー発着場所:京都駅(八条口)
申込予約:こちらのフォームからお申し込みください
https://forms.gle/idmQrynd3vZkMAUHA​

副産物産店:山田毅+矢津吉隆
京都を拠点に活動するアートユニットです。アーティストのスタジオや工房、芸術大学から作品の制作過程で生まれてくる廃材を“副産物”と呼び、それらを回収し、加工・販売することで資材循環の仕組みをつくっています。
*集合場所などの詳細は予約された皆様に改めてご連絡いたします。
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●1. A.S.K.– Atelier ShareKyoto+Alt Space POST
「A.S.K.」は、阪急西京極駅から徒歩10分の場所にある3階建ての友禅染工場を改装し、2010年に設立されたシェアスタジオです。現在、スタジオには学歴、年齢、国籍を持つ13名のアーティストが所属しており、絵画、彫刻、版画、写真、デザインなどジャンルも多岐にわたります。「Alt Space POST」は、2018年にA.S.K.の1階に設立されたアーティスト・ラン・オルタナティブ・スペースです。

住 所:京都市右京区西院西田町12YAEMONビル
最寄り駅:阪急 西京極駅より徒歩10分
     京都市バス 京都外大前より徒歩7分
     京都市バス 京都光華女子学園前より徒歩6分
後 援:ART OFFICE OZASA
W E B:http://alt.space-post.org/
SNS:instagram:altspacepost

アーティスト:
濱野 裕理 Hamano Yuri
池上 恵一 Ikegami Keiichi
伊藤 学美 Ito Manami
勝又 公仁彦 Katsumata Kunihiko
来田 広大 Kita Kodai
松本 誠史 Matsumoto Seiji
中屋敷 智生 Nakayashiki Tomonari
大前 春菜 Omae Haruna
シュヴァーブ トム Svab Tomas
シュヴァーボヴァ さおり  Svabova Saori
鳥居 結人 Torii Yuito
山本 直樹 Yamamoto Naoki
王 木易 Wang Muyi
ゲスト作家:
花岡 伸宏 Hanaoka Nobuhiro
宇加治 志帆 Ukaji Shiho

Alt Space POST  / 企画展
① 花岡 伸宏「家族の肖像」
彫刻家。1980年広島生まれ、京都在住。2006年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了。木彫を中心に、身の回りの素材や既製品を無秩序に組み合わせ、意味の解体と再構築を試みる立体作品を制作している。

② 宇加治 志帆 × 中屋敷 智生「カラー・ゲーム」
宇加治 志帆と中屋敷 智生による公開制作。お喋りしたり、お茶を飲みながら色を置いて遊んでいます。何が生まれるかは未知数!!
宇加治 志帆
京都市立芸術大学美術学部美術科フレスコ画専攻卒業。美術作家、また、”NAKED CRYSTAL”として服飾品の製作を行う。2016年にHOTEL ANTEROOM KYOTOのリニューアルオープンに際し、666号室の全面的なプロデュースに携わった。2024年からは”DJ PURPLE EYES”としてミクスチャーパフォーマンス活動を開始。すべての創作活動において、「人がその人として生きること」をテーマとしている。

Alt Space POST  / ワークショップ
① シュヴァーブ トム 「FurtherーHeartbeat of Architecture」
日 時:期間中随時(参加型アート)
参加費:無料

② 池上 恵一・肩こりワークショップ 『芸術と呼吸』
日 時:2025年3月1日 (土) スタジオ3F ※参加希望者は当日10:45 – 11:00の間にお越しください。
時 間:11:00 – 12:00
定 員:ペア5組10名(おひとりで参加の方はペアになってワークします)
参加費:無料

A.S.K. – Atelier Share Kyoto + Alt Space POST(京都市右京区)
A.S.K.– Atelier ShareKyoto+Alt Space POST

●2. MIO YAMATO STUDIO
MIO YAMATO STUDIOは伝統的なものづくりと生活が共存する西陣地区にある、大和美緒の制作スタジオ兼オフィスです。「つくることと生きることがまっすぐつながる」をコンセプトに作品を制作しています。制作アシスタントも、自身の作品制作やプロジェクトに取り組んでいます。

住 所:京都市北区紫野上柏野町10-1
アクセス:京都市バス 千本鞍馬口より徒歩2分、地下鉄烏丸線 鞍馬口駅 より徒歩30分
W E B:https://mioyamato.com/
S N S:instagram:mioyamato

アーティスト:
大和 美緒 Yamato Mio
黒崎 茜 Kurosaki Akane
園田 雪乃 Sonoda Yukino
乾 幸太郎 Inui Kotaro
清水 紗希 Shimizu Saki
進士 三紗 Shinshi Misa

MIO YAMATO STUDIO

●3. 銀月スタジオ
銀月スタジオは北白川の疏水沿いにある、銀月アパートメントの一角の部屋を絵画表現を主とした4人でシェアアトリエとして利用しています。大正期に建てられたとされる銀月アパートメントでは庭には日本の原種の桜があるなど、100年近い歴史を持った貴重な建築物です。有名な映画監督や表現者が住んでいた噂や、映画や小説の舞台になったりと文化を感じることできます。このような歴史的な場所で表現を探求しています。

住 所:京都市左京区北白川伊織町30 銀月アパートメント
アクセス:京都市バス 伊織町より徒歩2分、京都市バス 上終町・瓜生山学園京都芸術大学より徒歩6分、叡山電鉄 茶山・京都芸術大学駅より徒歩8分
S N S :instagram:Ginngetsu_studio
*アパートのため住民の方も住んでおられますのでアトリエ以外の場所への侵入や散策などはご遠慮ください。ご理解のほどお願いいたします。

アーティスト:
白石 交栽 Shiraishi Kousai
澤田 光琉 Sawada Hikaru
呉 瑋瑩 Wu Weiying
高尾 岳央 Takao Takehiro

銀月スタジオ

●4. 吉祥院スタジオ
吉祥院スタジオは京都市南区にあります。印刷工場の2階に位置しており、染色工房だった場所を改装し共同スタジオとして運営しております。現在7名のアーティストが所属しています。今回はその内6名の作家が制作現場を公開いたします。

住 所:京都市南区吉祥院新田弐ノ段町38-1
アクセス:JR 西大路駅より徒歩13分、京都市バス 葛野大路九条より徒歩1分
S N S:instagram:kisshoin_studio

アーティスト:
水田 寛 Mizuta Hiroshi
阪本 結 Sakamoto Yui
沖見 かれん Okimi Karen
鈴木 健太郎 Suzuki Kentaro
宮本 美紗季 Miyamoto Misaki
安井 雪乃 Yasui Yukino

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吉祥院スタジオ

●5. 京都孔版
京都孔版は、美術作家 兼 刷り師の鳥居本 顕史が代表を務める、アーティストやデザイナーのためのシルクスクリーン制作工房。常駐の技術スタッフの他、工房利用者や、協働制作を行う作家等、ジャンルを問わず様々な作り手の出入りがある工房施設です。今回は、4名の招聘作家とともに工房内で展示を行います。

住 所:京都市伏見区向島西堤町56-33
アクセス:京阪 観月橋駅より徒歩7分、近鉄 向島駅より徒歩15分 、近鉄 桃山御陵前駅より徒歩15分、JR 桃山駅より徒歩15分
S N S:instagram:kyotokohan

アーティスト:
厚地 朋子 Atsuchi Tomoko(RIVER SIDE BASE STUDIO)
上田 佳奈 Ueda Kana
貴志 真生也 Kishi Maoya
髙畑 紗依 Takahata Sae
鳥居本 顕史 Toriimoto Takafumi(京都孔版)

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京都孔版

● 6. スタジオハイデンバン
京都の伏見にある古い鉄工所をリノベーションした共同スタジオ。合計10名の作家が創作活動をしています。現在、アーティストやアートディレクター、コレクター、ギャラリストなどジャンルを超えた人たちが交流できる場所となっています。また、アトリエの他に住居スペースやレジデンスが可能な設備など、制作のみに留まらない幅広い機能を持っています。

住 所:京都市伏見区淀下津町260-11
アクセス:京阪 淀駅より徒歩6分
WEB:https://studiohaidenban.studio.design/
SNS:instagram:studiohaidenban 

アーティスト:
工藤 玲  Kudo Rei
作田 優希 Sakuta Yuki
品川 美香 Shinagawa Mika
高瀬 栞菜 Takase Kanna
高橋 知裕 Takahashi Tomohiro
竹内 義博 Takeuchi Yoshihiro
西垣 肇也樹 Nishigaki Hayaki
藤原 聖樹 Fujiwara Hiroki
森 綾乃 Mori Ayano
山邊 孝明 Yamabe Takaaki

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スタジオハイデンバン

Alt Space POST 企画展:花岡 伸宏「家族の肖像」

この度、Alt Space POST では、OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025 の開催に伴い、Alt Space POST 企画展、花岡 伸宏個展「家族の肖像」を開催いたします。

花岡 伸宏は、1980年広島生まれ、京都在住。2006年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了。木彫を中心に、身の回りの素材や既製品を無秩序に組み合わせ、意味の解体と再構築を試みる立体作品を制作している。 – Alt Space POST 

“OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025”
Alt Space POST 企画展

花岡 伸宏「家族の肖像」
会 期:2025年3月1日 (土) – 3月2日 (日)
時 間:10:00 – 18:00
会 場:A.S.K. – Atelier ShareKyoto + Alt Space POST
    京都府京都市右京区西院西田町12 YAEMONビル
最寄り駅:阪急 西京極駅より徒歩10分
     京都市バス 京都外大前より徒歩7分
     京都市バス 京都光華女子学園前より徒歩6分
主 催:Alt Space POST
後 援:Atelier Share Kyoto, ART OFFICE OZASA, ARTISTS FAIR KYOTO 実行委員会事務局
Photo by Haruka Oka

花岡 伸宏 | HANAOKA Nobuhiro
つくるということ。
それは生活の延長線上にある “彫刻する” という行為であり、また、それは私にとって個と最大に向き合うことのできる優れた遊びのようなものでもあります。
制作では主な素材として、日用品(衣類、雑誌、畳など)、 木材、木彫、ドローイングした布などを用いてそれらを構成していきます。そしてある時はまた、完成した作品を解体、切断し再構成を繰り返し行うこともあります。
私は、こうした構成の反復を繰り返し行うことで作品の完成に時間軸を与え、そこに存在する物質そのものの永続性について言及することができるのではないかと考えています。また、この反復の行為は自身の日々繰り返し行われる日常生活とも結びついており、制作の中で現れたこれらのオブジェクトは言い換えれば、私自身の肖像であるともいえます。

Alt Space POST 企画展:宇加治 志帆 × 中屋敷 智生「カラー・ゲーム」

この度、Alt Space POST では、OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025 の開催に伴い、Alt Space POST 企画展、宇加治 志帆 × 中屋敷 智生「カラー・ゲーム」を開催いたします。

宇加治 志帆と中屋敷 智生による公開制作。お喋りしたり、お茶を飲みながら色を置いて遊んでいます。何が生まれるかは未知数!!

“OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025”
Alt Space POST 企画展

宇加治 志帆 × 中屋敷 智生「カラー・ゲーム」
会 期:2025年3月1日 (土) – 3月2日 (日)  
時 間:10:00 – 18:00
会 場:A.S.K. – Atelier Share Kyoto + Alt Space POST  
    京都府京都市右京区西院西田町12 YAEMONビル
最寄り駅:阪急 西京極駅より徒歩10分
     京都市バス 京都外大前より徒歩7分
     京都市バス 京都光華女子学園前より徒歩6分
主 催:Alt Space POST
後 援:Atelier Share Kyoto, ART OFFICE OZASA, ARTISTS FAIR KYOTO 実行委員会事務局

宇加治 志帆 | UKAJI Shiho
京都市立芸術大学美術学部美術科フレスコ画専攻卒業。美術作家、また、”NAKED CRYSTAL”として服飾品の製作を行う。2016年にHOTEL ANTEROOM KYOTOのリニューアルオープンに際し、666号室の全面的なプロデュースに携わった。2024年からは”DJ PURPLE EYES”としてミクスチャーパフォーマンス活動を開始。すべての創作活動において、「人がその人として生きること」をテーマとしている。

中屋敷 智生 | NAKAYASHIKI Tomonari
国内を中心に、韓国、台湾、イギリス、フランスなどのグループ展やアートフェアに参加多数。アーティスト・ラン・オルタナティブ・スペースや、グループショーを主宰するなどの企画も手がけています。近年は、絵具と同じ画材・メディウムとしてマスキングテープを使用しており、コラージュのようなレイヤーとテクスチャーを持つ絵画作品を数多く発表しています。図と地の関係が常に入れ替わるようなこの手法によって、対象を視覚的に認識することの不確かさや、絵画と鑑賞者という伝統的な二元論を超えた絵画作品のあり方を探求しています。

OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025 シュヴァーブ トム 「FurtherーHeartbeat of Architecture」

OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025 開催に伴い、A.S.K. – Atelier ShareKyoto + Alt Space POST にて(期間中随時・参加型アート)、シュヴァーブ トムによるワークショップ 「FurtherーHeartbeat of Architecture」を実施いたします。

OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025
シュヴァーブ トム 「FurtherーHeartbeat of Architecture」
日 時:2025年3月1日(土)〜3月2日(日) 
日 時:10:00 – 18:00 期間中随時(参加型アート)
参加費:無料
会 場:A.S.K. – Atelier ShareKyoto + Alt Space POST
    京都府京都市右京区西院西田町12 YAEMONビル
最寄り駅:阪急 西京極駅 徒歩約10分、京都市バス 京都外大前 徒歩約10分
主 催:Alt Space POST
後 援:Atelier Share Kyoto, ART OFFICE OZASA, ARTISTS FAIR KYOTO 実行委員会事務局(京都府文化芸術課内)

シュヴァーブ・トム | Tomas SVAB    
https://www.23degrees.net/

OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025 池上 恵一・肩こりワークショップ 『芸術と健康』

OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025 開催に伴い、会期中の3月1日(土) 11:00より、A.S.K. – Atelier ShareKyoto + Alt Space POST 3F にて、池上恵一によるマッサージアート・ワークショップ 『芸術と健康』を実施いたします。

OPEN ARTISTS’ STUDIO 2025
池上 恵一・肩こりワークショップ 『芸術と健康』
日 時:2025年3月1日 (土)  
    ※参加希望者は当日10:45 – 11:00の間にお越しください。
時 間:11:00 – 12:00
定 員:ペア5組10名(おひとりで参加の方はペアになってワークします)
参加費:無料
会 場:A.S.K. – Atelier ShareKyoto + Alt Space POST 3F
    京都府京都市右京区西院西田町12 YAEMONビル
最寄り駅:阪急 西京極駅 徒歩約10分、京都市バス 京都外大前 徒歩約10分
主 催:Alt Space POST
後 援:Atelier Share Kyoto, ART OFFICE OZASA, ARTISTS FAIR KYOTO 実行委員会事務局(京都府文化芸術課内)

池上 恵一 | IKEGAMI Keiichi
身体の「凝り」をテーマに、木炭デッサン・陶作品を国内外で発表。

中屋敷 智生 Information

この度、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生は、2月1日(土) から2月16日(日)までの期間、kudan houseにて開催される「CURATION FAIR | Exhibition」に、KOKI ARTS から出品させていただことになりました。新作を中心に絵画を展示いたしますので、ぜひご来場いただければ幸いです。

CURATION FAIR | Exhibition From KOKI ARTS
「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」

会 場:kudan house
場 所:東京都千代田区九段北1-15-9
アクセス:地下鉄 東京メトロ九段下駅:1番出口から徒歩5分
会 期:2月1日 (土) – 2月16日 (日)
    ※1月31日(金)は、プレス・関係者向けのプレビューを実施します。
時 間:10:00 – 19:00(最終入場 18:30)
W  E  B:https://curation-fair.com/
入場料:チケット Information

​​​キュレーター:遠藤水城
音  響  構  成:蓮沼執太
会  場  構  成:五月女哲平

出展予定:
有元利夫、猪熊弦一郎、上前功夫、絵唐津 壺、大竹亮峯、風間サチコ、香月泰男、河井寛次郎、川端康成、金根泰、小瀬村真美、関根直子、髙木大地、辰野登恵子、鳥海青児、唐三彩万年壺、富田正宣、中屋敷智生、シュテファン・バルケンホール、藤島武二、ジョシュ・ブランド、松江泰治、三宅砂織、八木一夫、山口長男、李朝白磁壺 ほか

■ 概要
もし、それが作品でありうるのであれば、私も人間でありうるのかもしれない。
それを決めるのは私ではないが、少なくとも世界はそれを強く希望している。

1968年、川端康成はノーベル文学賞受賞に際し、「美しい日本の私 (Japan, the Beautiful, and Myself)」という講演を行いました。その26年後、川端に次いで日本人で二人目となる同賞受賞を果たした大江健三郎は、川端のモチーフを引き継ぎ、その講演の題を「あいまいな日本の私 (Japan, the Ambiguous, and Myself)」とします。

本展覧会The Beautiful, the Ambiguous, and Itselfは、二人の講演タイトルを重ねつつ、そこから「日本 Japan」と「私 Myself」を取り除けています。日本性と私性をめぐる言葉の圏域から離れてみること。日本人による日本特殊論はいつもどこかナイーヴな結論に陥りがちです。アイデンティティ・ポリティクスの隘路を踏み越える方向性も考えたい。

ところで「美しい日本の私」と「あいまいな日本の私」はいずれも新書として刊行されており、それぞれが優れた日本論として受容されています。しかし、両者の間にはある種の対立関係が見て取れます。図式化してしまうと川端の日本は、余白や侘び寂び、主客関係が失効した自然観など、私たちに馴染みのある日本論の典型ように読めます。一方、大江の日本論では、日本は近代によって引き裂かれており、地政学的な様々な矛盾を引き受けざるをえない分裂した主体です。

いささか牽強付会かもしれませんが、川端の日本と大江の日本の対比を、そのまま日本の古美術と近現代美術の対比にパラフレーズすることが可能かもしれません。川端や大江の意図したことではありませんが、二人の言説は、それぞれの美術カテゴリーを成立させる力学に近似している。さらに言えば、二人の日本論は価値付けの根拠にもなり得ています。無常感や侘び寂びによる価値の体系化と、近代西洋受容の矛盾の有意味化。美的な日本と多義的な日本。

本展覧会は、そういった「日本」の「私」から遠く離れたところから、芸術のあり方をラディカルに問うものです。作品それ自体の出自を日本の側にも作者の側にも置かず、それが作品でありえているという現象自体に焦点を当てること。教条的な情報とも、前提的な価値の確認とも違う、その時、その場における、感性的な経験の系を重視すること。美しさや曖昧さは、作者や時代や場所に還元されるものではないし、一部の人間にだけわかるものでもない。流行り廃りとも高尚な理論とも市場価値とも、おそらくあなたの感受性とも無縁です。人間ではなく、物の自律性(itself)によって、私たちの平等も自由も保障されている。畢竟、美術とはずっとそのようなものだったはずです。ただそれ自体として鳴り響くなにか。

■ KOKI ARTS:http://www.kokiarts.comコウキアーツは2012年に東京の馬喰町に開廊した現代美術のギャラリーである。ディレクターがニューヨーク出身のため、アメリカ、特にニューヨークで活躍している作家を多く取り扱っている。また、国内作家も若手からベテランまで独自の視点で紹介している。

中屋敷 智生、濱野 祐理 Information

このたび、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生と濱野祐理は、1月10日から1月12日の期間、台北のHotel Metropolitan Premier Taipei にて開催されるアートフェア「ONE ART TAIPEI 2025」に、中屋敷は BACK.Y (Room–1115) から、濱野は 神戸元町歩歩林堂 から出品させていただくことになりました。台北近郊にお越しの際は、ぜひご来場いただけますと幸いです。

ONE ART TAIPEI 2025
会 期:1月10日(金) – 1月12日(日)
    1月10日(金)  ※招待者・報道関係者向け内覧会
時 間:Collector Preview
    1月10日(金) 13:00 – 19:00
    VIP Preview
    1月10日(金) 15:00 – 19:00
    Public Days
    1月11日(土) 11:00 – 19:00
    1月12日(日) 11:00 – 19:00   
会 場:JR東日本大飯店 台北(Hotel Metropolitan Premier Taipei)
場 所:台北市中山区南京東路三段133号
W E B:https://www.onearttaipeien.com/
主 催:​ONE ART TAIPEI

■ BACK.Y (Room–1115)
出品作家:
蔡湍恒 | Cai Ruei Heng
格爾閣・阿克拉普 | Grgur Akrap  
黃望福 | Huang Wang-Fu
伊索特・佩羅 | Iseult Perrault
新藤杏子 | Kyoko Shindo
蘇健霖 | Su Chien-Lin
中村太一 | Taichi Nakamura
石山哲也 | Tetsuya ISHIYAMA
中屋敷智生 | Tomonari Nakayashiki
王俊杰 | Wang Chun-Chieh
丸尾康弘 | Yasuhiro Maruo

■ 神戸元町歩歩林堂
出品作家:
岸塚正憲
谷口知美
中川知洋
濱野裕理
藤森太樹
真下玉女
松永賢
吉村宗浩