池上 恵一 Information

この度、ASK + POST 所属作家の池上 恵一は、5月17日(土) から6月14日(土)までの期間、Gallery Nomart (大阪) にて、個展「Prayer」を開催いたします。

池上 恵一
Prayer
会 場:Gallery Nomart
会 期:2025年5月17日 (土) − 6月14日 (土)
休廊日:日曜・祝日
時 間:13:00 – 19:00
場 所:〒536-0022 大阪市城東区永田3-5-22
M a i l:info@nomart.co.jp
W E B:https://www.nomart.co.jp/index.php
主 催:Nomart,Inc.

◾️ イベント
⚫︎ Opening Party & Talk Event
  2025年5月17日 (土) 18:00 – *予約・料金とも不要
  Talk:池上恵一 Keiichi Ikegami x 稲垣元則 Motonori Inagaki (美術作家 Artist)

⚫︎ Closing Live : Prayer (Solo Piano Improvisation)
  2025年6月14日 (土) open 19:00 / start 19:30 –
  charge : adv. 2,000円 / door. 2,500円 *予約制 / 定員30名
  act : sara (.es) piano, perc.
  >> Live詳細・ご予約

◾️ 概要:
異端の作家・池上恵一のギャラリーノマル初個展!
美術界の“コリ”をほぐす、漆黒の宇宙

池上恵一は、身体とその内側にある圧力や「凝り」をテーマとした、独自の作品を一貫して発表し続けてきた作家です。
幼少期に病弱だった池上は、健康への関心を深める中で、さまざまな手技療法や武術を習得しました。父の旅立ちの際に触れた感覚は、彼の創作活動の原動力となっています。他者の身体に触れて感じ取ったエネルギーは、手指で描く木炭ドローイングや彫塑に落とし込まれ、さらにパフォーマンスや舞台美術への参加、ワークショップの開催など、ジャンルを超えた多岐にわたる活動/表現へと展開されてきました。

従来のアートの枠や文脈には収まりきらない唯一無二の道を歩み続ける池上は、岡本太郎現代芸術賞特別賞の受賞をはじめ、海外での作品発表でも高い評価を受けています。近年は、作家としての表現の純度・強度をさらに深めたアプローチで注目を集めています。

2024年2月、ノマル前ディレクター・林聡(11月に急逝)が約20年ぶりに池上と再会。特異にして一貫した池上の作家性は林の心を鷲掴みにし、すぐに初の版画集「生命掌(せいめいしょう)」をノマルの版画工房で出版。続いて個展「Prayer」決定と、2024年の2月〜10月末まで、池上とノマルは対話を重ね、実に濃密な関係を築き上げました。
そんなノマルとのコラボレーションで生まれた「Prayer」シリーズは、ガネーシャ、シーサー、日本刀といった精神の深層を象徴するモティーフを礎に、池上が手や指で漆黒のアウラを塗り込めた木炭ドローイング作品です。

本展では、その「Prayer」シリーズと立体作品を中心に、池上の全人生=作家人生を空間全体に表出させるインスタレーションを発表します。黒の濃淡に囲まれた空間で、触れること、感じること、そして祈ることを通じて、生の繋がりに迫ろうとする池上の比類なき表現のエネルギーを感じていただければ幸いです。

また、会期初日には、互いに同志と認め合う美術作家・稲垣元則とのトークショーを開催します。二人の対話を通じて、池上作品への理解が一層深まることでしょう。
さらに最終日には、前ディレクター林と共に池上と交流を深めてきたピアニストsara(現ディレクター・今中規子)が、池上の作品世界と共振する音楽ライブを行います。
異端を貫く作家、池上恵一の記念すべきノマルデビュー展。ぜひご高覧のほど、よろしくお願いいたします。

[作家コメント]

凝りとは何だろう。

幼いころ、私はよく体調を崩していた。
そんな私を、両親は食養法と思想で支えてくれた。
その経験を通じて、私は病気やストレス、そして「凝り」について考え続けてきた。

元気なときと、そうでないとき。
その違いは、身体の内側の圧力や呼吸のあり方にあるのかもしれない。
親族が旅立つ前、私はその変化を肌で感じた。
それ以来、指圧を通して手で感じたものを、再び手を使ってデッサンに落とし込み、
さらに彫塑へと展開させている。

「生きている」というより、「生かされている」。
生命の力と「凝り」は、いつもセットになっていて、日々あふれ出しているように思う。
私は、その働きをかたちにしたい。

今展「祈り」について

誰かに触れるとき、私は祈るような気持ちで手を動かしている。
ただ“凝り”をほぐすためではない。
私は生命の力とともに生まれるかたちをすくい出し、描くことができるー
それは、喜びと感謝を込めた、祈りでもある。

私という個人を超えた存在が息づくとき、祈りは芸術作品となる。

池上恵一 Keiichi Ikegami

[個展に寄せて]

活力と憂いの中にある池上恵一の作品には、近いとか遠いなどという距離はない。
それは常に私たちに触れている。
触れることが伝えるのは、あたたかく柔らかいこと。そしてつめたく硬くなること。それは強い実存を伝えるとともに喪失という運命も伝える。
人生のさまざまな道のりを経てこその厳しく冷徹な眼差しで向き合う彼の態度は、扱うにはとても難しい言葉ではあるけれども、彼の底のない優しさだと言っていいと思う。

稲垣元則 Motonori Inagaki(美術作家)

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