王 木易 Information

この度、ASK + POST 所属作家の王 木易は、6月27日(金) から7月7日(月) までの期間、GAMOYON Gallery (大阪) にて、王 木易 個展「Ikeba n/a」を開催いたします。ぜひご来場いただけますと幸いです。

王 木易 展 「Ikeba n/a」
会 場:GAMOYON Gallery
会 期:6月27日 (金) – 7月7日 (月)
時 間:12 : 00 – 19 : 00

休廊日:火曜日、水曜日、木曜日
場 所:〒536-0004 大阪市城東区今福西 1 – 3 – 23
電 話:06 – 6599 – 9405
M a i l:gamoyongallery@gmail.com
W E B:https://www.gamoyon-gallery.com
主 催:GAMOYON Gallery
アクセス:地下鉄 長堀鶴見緑地線、今里筋線 蒲生四丁目駅3番出口より徒歩 5分
     JR 鴫野駅より徒歩10分
     大阪シティバス 蒲生四丁目[東]バス停より徒歩5分

◾️ 概要
王木易展 Ikeba n/a 花を生けるという行為は皮肉にも花を切ることから始まる。
元来、風景のなかに根を張り、場所に繋がれた生命は、「生ける」ことでむしろ、もと居た場から引きはがされ、意図された空間の一部として再構成される。

書と画の境界、字と図の差異、そんなことを長らく考えて制作してきた。版を刀で彫っている間は、字も絵も等しく「線」でしかない。私は描写も筆記も一つの版の上に重ね、それぞれが持つ意味を一度宙に吊る。この意図的な連続性の断絶は、生けること=切ること、名づけること=失われることの交差点に立つ。

線は、配置されるものではなく、切削の末、露出するものである。 風景から剥がれ落ちたとき、それはただ一度、裂け目として開かれる。

The act of flower arrangement paradoxically begins with cutting the flower. Originally rooted in the landscape and bound to its place, the life of the flower is torn from its former ground and reassembled as part of a space shaped by intention.
For a long time, I have explored the boundary between writing and drawing, the distinction between character and image. While carving a plate, letters and pictures alike become nothing more than lines. I layer depiction and inscription onto the same surface, suspending their meanings in midair.
This deliberate break in continuity stands at the intersection where arranging equals cutting, and naming equals erasure— a point marked not by presence, but by a refusal to be applicable.
Lines are not placed; they are revealed through incision. When detached from arrangement, they appear—just once—as a rupture, exposed and unformed, a fleeting crack in the skin of the visible.

www.gamoyon-gallery.com

中屋敷 智生 Information

この度、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生は、6月14日(土) から7月12日(土)までの期間、KOKI ARTS (東京) にて開催される「中屋敷智生×光島貴之〈パラリズム “Pararhythm”〉​」に、出展いたします。新作の絵画を展示いたしますので、ぜひご来場いただけますと幸いです。

中屋敷智生×光島貴之〈パラリズム “Pararhythm”〉
​会 場:KOKI ARTS
会 期:2025年6月14日 (土) – 7月12日 (土)
休廊日:日.月.火.祝
時 間:12:00 – 19:00
入場料:無料
場 所:東京都千代田区東神田1-15-2ローズビル1F
アクセス:JR総武快速線[馬喰町]4番出口徒歩1分
     都営新宿線[馬喰横山]A1出口徒歩3分
     都営浅草線「東日本橋]B4出口徒歩6分
     JR総武線「浅草橋]西口徒歩6分
     東京メトロ日比谷線[小伝馬町]2番出口徒歩7分
W E B:https://www.kokiarts.com/
主 催:KOKI ARTS
企 画:高内 洋子

■ ​ARTIST’S RECEPTION
開催日:2025年6月13日 (金)
時 間:18:00 から

■ ​同時開催
中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉
会 場:BUG(株式会社リクルートホールディングス)
会 期:2025年6月4日 (水) – 6月29日 (日)
休廊日:火曜日
時 間:11:00 – 19:00
入場料:無料
場 所:東京都千代田区丸の内1-9-2  グラントウキョウサウスタワー1F
W E B:https://bug.art/
主 催:BUG(株式会社リクルートホールディングス)
企 画:高内 洋子
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■ ​概要
「パラリズム」は、並ぶことや平行を意味する接頭辞パラ (para-) と、リズム (rhythm) を組み合わせた造語です。本展覧会では、中屋敷智生と光島貴之の作品における二つのリズム性に注目します。

中屋敷の絵画における色彩の鮮やかさは、強・弱・強・弱と交互に織りなす色調のコントラストによりもたらされるものです。この強弱の並びは画面全体を構成しており、そこに「空間的な反復」を見いだすことができます。

一方、光島のレリーフ作品における釘などの素材からは、それらを指先でたどることで独自のリズムを感じ取ることができるでしょう。手と素材の摩擦が生み出す音と触感は、「時間的な反服」を強く印象づけます。

彼らの作品に見いだされるこれらの反復運動=リズムは、時間・空間という並行する概念をつなぐ接点になれるかもしれません。本展覧会では二人の作品を並列に配置し、ギャラリー空間に新しいリズムを生み出します。
高内洋子(企画者)

■ ​アーティスト
● 中屋敷 智生 Tomonari NAKAYASHIKI1977年大阪府生まれ、京都市在住。2000年京都精華大学美術学部造形学科洋画分野卒業。2007年とよた美術展’07(豊田市美術館、愛知)審査委員賞。国内を中心に、韓国、台湾、イギリス、フランスなどのグループ展やアートフェアに参加多数。近年では絵具と同様のメディウムとしてマスキングテープを使用し、独特のコラージュ的なレイヤーとテクスチャーのある絵画作品を手がける。*中屋敷智生 WEBサイト https://nakayashiki.wixsite.com/tomonari

● 光島 貴之 Takayuki MITSUSHIMA1954年京都府生まれ。10歳頃に失明。大谷大学文学部哲学科を卒業後、鍼灸院開業。鍼灸を生業としながら、1992年より粘土造形を、1995年より製図用ラインテープとカッティングシートを用いた「さわる絵画」の制作を始める。98アートパラリンピック長野、大賞・銀賞。近年は、連なって打ち込まれた釘の傾きや高低差により街の姿を表現したレリーフの組作品などを発表している。*アトリエみつしま WEBサイト https://mtsm.jimdofree.com/

中屋敷 智生 Information

この度、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生は、6月4日(水) から6月29日(日)までの期間、BUG (東京) にて開催される「中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉​」に、出展いたします。新作の大型絵画を展示いたしますので、ぜひご来場いただけますと幸いです。

アートワーカー(企画者向け)オンラインプログラム「CRAWL」選出企画
中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉​

​会 場:BUG(株式会社リクルートホールディングス)
会 期:2025年6月4日 (水) – 6月29日 (日)
休廊日:火曜日
時 間:11:00 – 19:00
入場料:無料
場 所:東京都千代田区丸の内1-9-2  グラントウキョウサウスタワー1F
アクセス:JR東京駅八重洲南口から徒歩3分
     東京メトロ京橋駅8番出口から徒歩5分
     東京メトロ銀座一丁目駅1番出口から徒歩7分
     ※ BUGには駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。
W E B :https://bug.art/
主 催:BUG(株式会社リクルートホールディングス)
企 画:高内 洋子

◾️ トークイベント「世界を捉えることと描くことのあいだ」*手話通訳・文字通訳あり
開催日:2025年6月14日 (土)
時 間:18:00 から20:00まで
登壇者:光島 貴之、中屋敷 智生、杉浦 幸子(武蔵野美術大学・教授)
司 会:高内 洋子

◾️ 対話型鑑賞 *手話通訳あり
見えない人・見えにくい人・見える人が一緒に展示作品を言葉で鑑賞します。
① 開催日:2025年6月15日 (日)
  時 間:14:00 から16:00まで
ファシリテーター:白鳥 建二(全盲の美術鑑賞者/写真家)、光島 貴之
 定 員:12名​

② 開催日:2025年6月28日 (土)
  時 間:14:00 から16:00まで
ファシリテーター:光島 貴之
  定 員:12名

◾️ ​同時開催 「中屋敷智生✕光島貴之 パラリズム “Pararhythm”」
会 期:2025年6月14日 (土) – 7月12日 (土)
レセプション:6月13日 (金) 18:00 – 20:00
会 場:KOKI ARTS
場 所:東京都千代田区東神田1-15-2 ローズビル1F 

◾️ 概要
本展覧会では、全盲の光島貴之、色弱の中屋敷智生という独自の仕方で世界を捉える二人の美術作家を取り上げ、〈みる〉ということについてあらためて意識を向けてみる機会を作ります。
光島は、木板に連なって打ち込まれた釘の傾きや高低差によって街の姿を表現します。それは光島が白杖を使って歩いたり、日々生活する中で得たイメージを手ざわりという別の感覚に置き換えたものです。一方の中屋敷は、「遠くにあるものは小さく見える」「過去と未来を同時に見ることはできない」といった知覚の常識を解きほぐしながら、彼独自のトーンでモチーフに新しい存在の仕方を与えます。
本展覧会では作品に直接手で触れることができます。さまざまな感覚をひらいて鑑賞する体験は〈みる〉こととの新しい出会いをもたらし、私たちの共通(だと思っていた)認識の更新を促すでしょう。鑑賞者の中でより豊かな世界像が築かれていく未来に、本展覧会が寄与できればと願っています。
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◾️ 企画者
● 高内 洋子 Yoko TAKAUCHI
兵庫県生まれ、京都府在住。関⻄学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学。博士(哲学)。重症心身障害児施設、グループホーム、ホームヘルパーなど障害のある人と関わる業務に携わりながら、2012年より全盲の美術家・光島貴之の専属アシスタントとして作品制作のサポートをおこなう。2020年より、アートギャラリー兼制作アトリエ「アトリエみつしま」マネージャーを兼任。施設運営管理および展覧会やワークショップなどの企画を担う。携わる主な企画として、展覧会「それはまなざしか」(2021年、アトリエみつしまSawa-Tadori)、「まなざしの傍ら」(2023年、同会場)、「今村遼佑×光島貴之感覚をめぐるリサーチ・プロジェクト〈感覚の点P〉展」(2025年、東京都渋谷公園通りギャラリー)。ワークショップ「視覚に障害のある人・ミーツ・アート」(2021年〜)、「ぎゅぎゅっと対話鑑賞」(2023年〜)ほか。趣味は知恵の輪。
*高内洋子による展覧会の制作過程で思ったことや、アーティストの紹介などをしていく連載記事をnoteにて掲載中!
https://note.com/bug_art/n/n9a7cc9567a9d

◾️ アーティスト
● 中屋敷 智生 Tomonari NAKAYASHIKI
1977年大阪府生まれ、京都市在住。2000年京都精華大学美術学部造形学科洋画分野卒業。2007年とよた美術展’07(豊田市美術館、愛知)審査委員賞。国内を中心に、韓国、台湾、イギリス、フランスなどのグループ展やアートフェアに参加多数。近年では絵具と同様のメディウムとしてマスキングテープを使用し、独特のコラージュ的なレイヤーとテクスチャーのある絵画作品を手がける。
*中屋敷智生 WEBサイト https://nakayashiki.wixsite.com/tomonari

● 光島 貴之 Takayuki MITSUSHIMA
1954年京都府生まれ。10歳頃に失明。大谷大学文学部哲学科を卒業後、鍼灸院開業。鍼灸を生業としながら、1992年より粘土造形を、1995年より製図用ラインテープとカッティングシートを用いた「さわる絵画」の制作を始める。98アートパラリンピック長野、大賞・銀賞。近年は、連なって打ち込まれた釘の傾きや高低差により街の姿を表現したレリーフの組作品などを発表している。
*アトリエみつしま WEBサイト https://mtsm.jimdofree.com/
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◾️ BUG(株式会社リクルートホールディングス)
「CRAWL」は、株式会社リクルートホールディングスが運営するアートセンターBUGが行っているアートワーカー(企画者向け)のためプログラムです。
企画書をコミュニケーションツールとして、メンターとの壁打ちや参加者同士のネットワーク構築などアートワーカーの機会と場をつなぎ、未来へつづくつながりを形成していくことを目的としています。
プログラムを通じてブラッシュアップした企画書を参加者全員で読み合い、投票にて選出された2つの企画を1年弱の準備期間を設けて開催します。
実践することを重視する本プログラムは、「企画」という構想から実行まで責任を担う文化芸術の役割にフォーカスしています。

中屋敷 智生 Information

この度、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生は、6月7日(土) から6月29日(日)までの期間、2kw gallery (滋賀) にて開催される「中井 浩史×中屋敷 智生×田中 真吾〈粋な枠〉」に、出展いたします。新作の大型絵画を展示いたしますので、ぜひご来場いただけますと幸いです。

中井 浩史×中屋敷 智生×田中 真吾〈粋な枠〉
会 場:2kw gallery
会 期:2025年6月7日 (土) – 6月29日 (日)
休廊日:月.火.水
時 間:13:00 – 19:00(最終日17:00まで)
入場料:無料
場 所:滋賀県大津市音羽台​3-29-1
W E B:https://2kwgalleryinfo.wixsite.com/2kwtop
主 催:2kw gallery

◾️ ​トークイベント
ゲスト:はが みちこ(アート・メディエーター)
開催日:2025年6月22日 (日)
時 間:16:00 から
ゲストトーク終了後には参加者も交えての歓談を予定しています。​​

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「絵画」の意味を問いかけることは少し後にしよう。しかし、ギャラリーに来て、そこにどんな意味も見出せない時、人は此処には二度と来ないだろう。だからドゥルーズの言う「絵画の冒険」を目指して、彼らにライプニッツの「モナド的絵画」の実現を期待した。それは単純実態が他の細胞に包まれて複合化し、より強度に変化してゆく状態を意味する。「絶対的自己矛盾としての絵画」の実現には彼らの力が必須の条件であり、「器官なき身体」としての絵画の登場を期待します。(2kw gallery / 金子 正二)

◾️ ​アーティスト
● 中井 浩史 Hiroshi NAKAI
ドローイング(いまここに線を引くこととそこから生まれるものを見ること)を基点として制作をしたり、人と関わる活動を続けている。2024にはドローイングユニット<入道雲/SAKURAI R + NAKAI H >を結成する。2025「ハッピーニュウ廃屋/舞台 出張入道雲」(谷文化にて野外ライブドローイング)「春休みの入道雲」(バイソンギャラリーにてドローイングハプニング)、2024「ドローイング、絵画、その辺りのもの」(MEDIA SHOP gallery2にて個展、アンビエントミュージシャンkm:との共演)、「カオの出自」(GALLERY301にて個展)、2023「Form and Pulse 2」(2kw galleryにて個展)など。
*中井浩史 WEBサイト https://jydkr594.wixsite.com/works-hiroshi-nakai

​● 中屋敷 智生 Tomonari NAKAYASHIKI
1977年大阪府生まれ。京都市在住。2000年京都精華大学美術学部造形学科洋画分野卒業。国内外の展覧会やアートフェアに参加多数。アーティスト・ラン・オルタナティブ・スペースの運営や、グループショーなどの企画も手がける。近年は、絵具と同じ画材・メディウムとしてマスキングテープを使用しており、コラージュのようなレイヤーとテクスチャーを持つ絵画作品を数多く発表している。図と地の関係が常に入れ替わるようなこの手法によって、対象を視覚的に認識することの不確かさや、絵画と鑑賞者という伝統的な二元論を超えた絵画作品のあり方を探求している。
近年の主な展覧会に、2025年「中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉」(BUG 株式会社リクルートホールディングス / 東京)2024年「内と肉」(YIRI ARTS / 台北, 台湾)2024年「ばからくう」(2kw Gallery / 滋賀)など。
*中屋敷智生 WEBサイト https://nakayashiki.wixsite.com/tomonari

● 田中 真吾 Shingo TANAKA
1983年大阪府生まれ。大津市在住。2008年京都精華大学芸術研究科博士前期過程洋画専攻修了。制作に火を用いることで、燃焼が生み出す偶然性や、消失と生成の関係性を作品に取り入れることを試みている。近年はそこから派生し、消失と生成を「描き、消す」行為に読み替えた絵画など、様々な形態の作品を横断的に制作している。また、大学附属美術館の学芸員として多数の展覧会を企画・運営している。
近年の主な展覧会に、個展「ツァラトゥストラ」(2024、2kw gallery/滋賀)、「STRIDES by strokes」(2023、eN arts /京都)、「たれそかれ」(2021、A’holic/東京)、「VOCA展2019」(上野の森美術館)など。
*田中真吾 WEBサイト https://shingotanaka.net/

池上 恵一 Information

この度、ASK + POST 所属作家の池上 恵一は、5月17日(土) から6月14日(土)までの期間、Gallery Nomart (大阪) にて、個展「Prayer」を開催いたします。

池上 恵一
Prayer
会 場:Gallery Nomart
会 期:2025年5月17日 (土) − 6月14日 (土)
休廊日:日曜・祝日
時 間:13:00 – 19:00
場 所:〒536-0022 大阪市城東区永田3-5-22
M a i l:info@nomart.co.jp
W E B:https://www.nomart.co.jp/index.php
主 催:Nomart,Inc.

◾️ イベント
⚫︎ Opening Party & Talk Event
  2025年5月17日 (土) 18:00 – *予約・料金とも不要
  Talk:池上恵一 Keiichi Ikegami x 稲垣元則 Motonori Inagaki (美術作家 Artist)

⚫︎ Closing Live : Prayer (Solo Piano Improvisation)
  2025年6月14日 (土) open 19:00 / start 19:30 –
  charge : adv. 2,000円 / door. 2,500円 *予約制 / 定員30名
  act : sara (.es) piano, perc.
  >> Live詳細・ご予約

◾️ 概要:
異端の作家・池上恵一のギャラリーノマル初個展!
美術界の“コリ”をほぐす、漆黒の宇宙

池上恵一は、身体とその内側にある圧力や「凝り」をテーマとした、独自の作品を一貫して発表し続けてきた作家です。
幼少期に病弱だった池上は、健康への関心を深める中で、さまざまな手技療法や武術を習得しました。父の旅立ちの際に触れた感覚は、彼の創作活動の原動力となっています。他者の身体に触れて感じ取ったエネルギーは、手指で描く木炭ドローイングや彫塑に落とし込まれ、さらにパフォーマンスや舞台美術への参加、ワークショップの開催など、ジャンルを超えた多岐にわたる活動/表現へと展開されてきました。

従来のアートの枠や文脈には収まりきらない唯一無二の道を歩み続ける池上は、岡本太郎現代芸術賞特別賞の受賞をはじめ、海外での作品発表でも高い評価を受けています。近年は、作家としての表現の純度・強度をさらに深めたアプローチで注目を集めています。

2024年2月、ノマル前ディレクター・林聡(11月に急逝)が約20年ぶりに池上と再会。特異にして一貫した池上の作家性は林の心を鷲掴みにし、すぐに初の版画集「生命掌(せいめいしょう)」をノマルの版画工房で出版。続いて個展「Prayer」決定と、2024年の2月〜10月末まで、池上とノマルは対話を重ね、実に濃密な関係を築き上げました。
そんなノマルとのコラボレーションで生まれた「Prayer」シリーズは、ガネーシャ、シーサー、日本刀といった精神の深層を象徴するモティーフを礎に、池上が手や指で漆黒のアウラを塗り込めた木炭ドローイング作品です。

本展では、その「Prayer」シリーズと立体作品を中心に、池上の全人生=作家人生を空間全体に表出させるインスタレーションを発表します。黒の濃淡に囲まれた空間で、触れること、感じること、そして祈ることを通じて、生の繋がりに迫ろうとする池上の比類なき表現のエネルギーを感じていただければ幸いです。

また、会期初日には、互いに同志と認め合う美術作家・稲垣元則とのトークショーを開催します。二人の対話を通じて、池上作品への理解が一層深まることでしょう。
さらに最終日には、前ディレクター林と共に池上と交流を深めてきたピアニストsara(現ディレクター・今中規子)が、池上の作品世界と共振する音楽ライブを行います。
異端を貫く作家、池上恵一の記念すべきノマルデビュー展。ぜひご高覧のほど、よろしくお願いいたします。

[作家コメント]

凝りとは何だろう。

幼いころ、私はよく体調を崩していた。
そんな私を、両親は食養法と思想で支えてくれた。
その経験を通じて、私は病気やストレス、そして「凝り」について考え続けてきた。

元気なときと、そうでないとき。
その違いは、身体の内側の圧力や呼吸のあり方にあるのかもしれない。
親族が旅立つ前、私はその変化を肌で感じた。
それ以来、指圧を通して手で感じたものを、再び手を使ってデッサンに落とし込み、
さらに彫塑へと展開させている。

「生きている」というより、「生かされている」。
生命の力と「凝り」は、いつもセットになっていて、日々あふれ出しているように思う。
私は、その働きをかたちにしたい。

今展「祈り」について

誰かに触れるとき、私は祈るような気持ちで手を動かしている。
ただ“凝り”をほぐすためではない。
私は生命の力とともに生まれるかたちをすくい出し、描くことができるー
それは、喜びと感謝を込めた、祈りでもある。

私という個人を超えた存在が息づくとき、祈りは芸術作品となる。

池上恵一 Keiichi Ikegami

[個展に寄せて]

活力と憂いの中にある池上恵一の作品には、近いとか遠いなどという距離はない。
それは常に私たちに触れている。
触れることが伝えるのは、あたたかく柔らかいこと。そしてつめたく硬くなること。それは強い実存を伝えるとともに喪失という運命も伝える。
人生のさまざまな道のりを経てこその厳しく冷徹な眼差しで向き合う彼の態度は、扱うにはとても難しい言葉ではあるけれども、彼の底のない優しさだと言っていいと思う。

稲垣元則 Motonori Inagaki(美術作家)

中屋敷 智生 Information

この度、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生は、2月1日(土) から2月16日(日)までの期間、kudan houseにて開催される「CURATION FAIR | Exhibition」に、KOKI ARTS から出品させていただことになりました。新作を中心に絵画を展示いたしますので、ぜひご来場いただければ幸いです。

CURATION FAIR | Exhibition From KOKI ARTS
「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」

会 場:kudan house
場 所:東京都千代田区九段北1-15-9
アクセス:地下鉄 東京メトロ九段下駅:1番出口から徒歩5分
会 期:2月1日 (土) – 2月16日 (日)
    ※1月31日(金)は、プレス・関係者向けのプレビューを実施します。
時 間:10:00 – 19:00(最終入場 18:30)
W  E  B:https://curation-fair.com/
入場料:チケット Information

​​​キュレーター:遠藤水城
音  響  構  成:蓮沼執太
会  場  構  成:五月女哲平

出展予定:
有元利夫、猪熊弦一郎、上前功夫、絵唐津 壺、大竹亮峯、風間サチコ、香月泰男、河井寛次郎、川端康成、金根泰、小瀬村真美、関根直子、髙木大地、辰野登恵子、鳥海青児、唐三彩万年壺、富田正宣、中屋敷智生、シュテファン・バルケンホール、藤島武二、ジョシュ・ブランド、松江泰治、三宅砂織、八木一夫、山口長男、李朝白磁壺 ほか

■ 概要
もし、それが作品でありうるのであれば、私も人間でありうるのかもしれない。
それを決めるのは私ではないが、少なくとも世界はそれを強く希望している。

1968年、川端康成はノーベル文学賞受賞に際し、「美しい日本の私 (Japan, the Beautiful, and Myself)」という講演を行いました。その26年後、川端に次いで日本人で二人目となる同賞受賞を果たした大江健三郎は、川端のモチーフを引き継ぎ、その講演の題を「あいまいな日本の私 (Japan, the Ambiguous, and Myself)」とします。

本展覧会The Beautiful, the Ambiguous, and Itselfは、二人の講演タイトルを重ねつつ、そこから「日本 Japan」と「私 Myself」を取り除けています。日本性と私性をめぐる言葉の圏域から離れてみること。日本人による日本特殊論はいつもどこかナイーヴな結論に陥りがちです。アイデンティティ・ポリティクスの隘路を踏み越える方向性も考えたい。

ところで「美しい日本の私」と「あいまいな日本の私」はいずれも新書として刊行されており、それぞれが優れた日本論として受容されています。しかし、両者の間にはある種の対立関係が見て取れます。図式化してしまうと川端の日本は、余白や侘び寂び、主客関係が失効した自然観など、私たちに馴染みのある日本論の典型ように読めます。一方、大江の日本論では、日本は近代によって引き裂かれており、地政学的な様々な矛盾を引き受けざるをえない分裂した主体です。

いささか牽強付会かもしれませんが、川端の日本と大江の日本の対比を、そのまま日本の古美術と近現代美術の対比にパラフレーズすることが可能かもしれません。川端や大江の意図したことではありませんが、二人の言説は、それぞれの美術カテゴリーを成立させる力学に近似している。さらに言えば、二人の日本論は価値付けの根拠にもなり得ています。無常感や侘び寂びによる価値の体系化と、近代西洋受容の矛盾の有意味化。美的な日本と多義的な日本。

本展覧会は、そういった「日本」の「私」から遠く離れたところから、芸術のあり方をラディカルに問うものです。作品それ自体の出自を日本の側にも作者の側にも置かず、それが作品でありえているという現象自体に焦点を当てること。教条的な情報とも、前提的な価値の確認とも違う、その時、その場における、感性的な経験の系を重視すること。美しさや曖昧さは、作者や時代や場所に還元されるものではないし、一部の人間にだけわかるものでもない。流行り廃りとも高尚な理論とも市場価値とも、おそらくあなたの感受性とも無縁です。人間ではなく、物の自律性(itself)によって、私たちの平等も自由も保障されている。畢竟、美術とはずっとそのようなものだったはずです。ただそれ自体として鳴り響くなにか。

■ KOKI ARTS:http://www.kokiarts.comコウキアーツは2012年に東京の馬喰町に開廊した現代美術のギャラリーである。ディレクターがニューヨーク出身のため、アメリカ、特にニューヨークで活躍している作家を多く取り扱っている。また、国内作家も若手からベテランまで独自の視点で紹介している。

中屋敷 智生、濱野 祐理 Information

このたび、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生と濱野祐理は、1月10日から1月12日の期間、台北のHotel Metropolitan Premier Taipei にて開催されるアートフェア「ONE ART TAIPEI 2025」に、中屋敷は BACK.Y (Room–1115) から、濱野は 神戸元町歩歩林堂 から出品させていただくことになりました。台北近郊にお越しの際は、ぜひご来場いただけますと幸いです。

ONE ART TAIPEI 2025
会 期:1月10日(金) – 1月12日(日)
    1月10日(金)  ※招待者・報道関係者向け内覧会
時 間:Collector Preview
    1月10日(金) 13:00 – 19:00
    VIP Preview
    1月10日(金) 15:00 – 19:00
    Public Days
    1月11日(土) 11:00 – 19:00
    1月12日(日) 11:00 – 19:00   
会 場:JR東日本大飯店 台北(Hotel Metropolitan Premier Taipei)
場 所:台北市中山区南京東路三段133号
W E B:https://www.onearttaipeien.com/
主 催:​ONE ART TAIPEI

■ BACK.Y (Room–1115)
出品作家:
蔡湍恒 | Cai Ruei Heng
格爾閣・阿克拉普 | Grgur Akrap  
黃望福 | Huang Wang-Fu
伊索特・佩羅 | Iseult Perrault
新藤杏子 | Kyoko Shindo
蘇健霖 | Su Chien-Lin
中村太一 | Taichi Nakamura
石山哲也 | Tetsuya ISHIYAMA
中屋敷智生 | Tomonari Nakayashiki
王俊杰 | Wang Chun-Chieh
丸尾康弘 | Yasuhiro Maruo

■ 神戸元町歩歩林堂
出品作家:
岸塚正憲
谷口知美
中川知洋
濱野裕理
藤森太樹
真下玉女
松永賢
吉村宗浩

池上 恵一 Information

この度、ASK + POST 所属作家の池上恵一は、1月20日(月) から1月26日(日) までの期間、茨木市文化・子育て複合施設 おにクル(大阪)において、「第51回現代美術ー茨木2024展」に参加いたします。
本展は、昭和43(1968)年に発足し、隔年形式や中止となった年をはさみ、今年で51回目を迎えます。展覧会は、アンデパンダン形式(無審査)の「公募部門」と、活躍中の作家の中から選出された招待作家による「特集作家部門」の2部構成となっています。

第51回現代美術ー茨木2024展
会 場:茨木市文化・子育て複合施設 おにクル1階
会 期:2025年1月20日 (月) − 1月26日 (日)
時 間:9:00 – 21:00 ※最終日は午後5時まで
場 所:大阪府茨木市駅前3丁目9-45
主 催:茨木現代美術展実行委員会

◾️ 公募部門(アンデパンダン) https://www.city.ibaraki.osaka.jp/kikou/shimin/bunka/event/genbi51.html

◾️ 特集作家
⚫︎ 池上 恵一 IKEGAMI Keiichi

「The Potter’s Hand」2023年 charcoal drawing 65×50cm Photo:Tomas Svab

病弱だった幼少期、両親の食養法に救われる。以来、人間にとって健康とは何かを探求しさまざまな手技療法や武術を習得。
心と身体のつながりと変化をモチーフに、木炭デッサン・陶作品を国内外で発表する。京都精華大学大学院美術研究科洋画分野修了

【主な個展】
2024 池上恵一「行雲のからだ」展|京都場(京都)、テノココロ|city gallery 2320(神戸)、2023 親子の凝り~陶芸家編~|五条坂清水(京都)

【主なグループ展】
2024 ノマル35周年記念1 – 詩人と美術家とピアニスト|ギャラリーノマル(大阪)、ノマル35周年記念2, All Stars – RESONANCE|ギャラリーノマル(大阪)、みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2024 in 蔵王(山形)、Your accidental world|インサアートセンター(韓国)、A view that only we can see|ネオアートセンター(韓国)、2023 Where and what will we meet again?|清州市立美術館梧倉展示館(韓国)

⚫︎ 岩間 一真 IWAMA Kazuma
Instagram:@momokazu29

「神に願いがかなうよう祈る手」2024年 水彩、紙、ニス

2010年京都府生まれ。3歳で自閉症スペクトラム障害の診断を受ける。この頃より祖父母の家にあった美術館の画集を見て、毎日のように夢中で絵を描きはじめる。描く時は下描きをしたり直す事はなく、迷いなく筆をすすめる。自ら思いついて、新聞紙や空き缶、石鹸や塩などを画材として用いたり、あえて紙を破るなどさまざまな表現を試みている。また、絵の題材は同じものにとどまらす、その時々に強い関心を持つものを描く。特徴的である絵のタイトルも自身でつけている。

【主な展覧会】
2023年小学6年生できょうと障害者文化芸術推進機構が運営するart space co-jin(京都)にて史上最年少で展覧会を開催。会期中、ギャラリーの外壁やガラスにライブペイントを行う。
2024年個展「13歳の絵の世界」旧上田家住宅(向日市)、「岩間一真展」ギャラリー恵風(京都)ほか、バナー展示(京都府庁、アールブリュッ都ギャラリー)、かんでんコラボ・アート公開展示会(グランフロント大阪)、日下部美術教室展、グループ展「虹色の飛行船」(京都市美術館別館)、京都とっておきの芸術祭(京都市勧業館みやこめっせ)、京都府障害者のつどい作品展(長岡京記念文化会館)など

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◾️ 関連イベント
⚫︎ 特集作家 池上恵一によるワークショップ「凝りのぼり」をつくろう!
手に絵の具をつけ、からだに被せた布の上からペアでマッサージ。目に見えない「からだの凝り」が浮かび上がると、どんなカタチになるかな?

「凝りのぼり」をつくろう!イメージ(マッサージペインティングの様子)

日 時:1月19日(日曜日)10時30分~12時00分
場 所:おにクル2階 多目的室C1
定 員:10組20名(先着・事前申込制)
           ※おひとりでも参加OKです。ペアになってワークします。
参 加:無料
服 装:動きやすく、汚れてもよい格好
受 付:定員に達し次第、受付を締め切ります
下記QRコード、もしくはリンクからお申込みください。

ワークショップ申込フォーム

申込フォーム ▶ https://logoform.jp/form/2Qoq/genbi51-ws

⚫︎ 特集作家岩間一真によるライブペイント
会期中、おにクルのガラス扉をキャンバスにがわりにしてライブペイントを行います。多様なイメージが描き出されていく現場を目撃してください!

ライブペイント イメージ(art space co-jinでのライブペイント)

日 時:1月19日(日曜日)10時30分頃から ※完成次第終了
場 所:おにクル1階 北側ガラス扉
※自由にご観覧いただけます。完成した作品は会期中展示します。

⚫︎ 特集作家によるトークイベント
日 時:1月26日(日曜日)15時00分~16時30分
場 所:おにクル1階 きたしんホール
司 会:仲摩洋一(茨木現代美術展実行委員長)
登 壇:池上恵一、岩間一真、ナミキ・キヨタカ(2023年度特集作家)
参 加:無料、参加自由

松本 誠史 Information

この度、ASK + POST 所属作家の松本 誠史は、12月10日(火) から12月21日(土) までの期間、ギャラリー16(京都)にて、松本誠史個展「SEIJI MATSUMOTO SPECTACLE FANTASY『地中宇宙塊』」を開催いたします。
本展は、2020年より始動した松本誠史による「地中宇宙塊シリーズ」第1章から第5章をダイジェストで展示する内容となっております。
松本は、本シリーズ内で彫刻作品を軸に平面作品、映像や音楽を取り入れた表現にも挑戦してきました。
この展覧会は、この5年間の集大成となります。ぜひ松本誠史の世界をご堪能ください。

松本 誠史 展
SEIJI MATSUMOTO SPECTACLE FANTASY
『地中宇宙塊』
会 場:ギャラリー16 / galerie16
会 期:2024年12月10日 (火) − 12月21日 (土)
時 間:12:00 – 18:00
休廊日:月曜日
場 所:京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394、戸川ビル3F
電 話:075-751-9238
M a i l:info@art16.net
W E B:https://www.art16.net/
主 催:ギャラリー16

◾️ 概要
松本誠史展
SEIJI MATSUMOTO SPECTACLE FANTASY『地中宇宙塊』

この物語は人類の滅亡から地球崩壊までを描いたファンタジーだが、現実世界への問いかけでもある。
私はこの物語を通して、新たな未来の「展望」と「希望」を表している。
2020年、人類は混乱し、心身は侵され、世界は一変した。
迫り来る危機感から「地中宇宙塊」の物語を構想し、私の作品の主題である「塊の彫刻」とリンクさせて展開した。
2021年に第1章を発表してから現在第5章に至る。
第1章「地中宇宙塊」、第2章「新塊陸」、第3章「塊人の庭」、第4章「新塊人と塊獣」、第5章「さよなら地球塊」
私たち人間も、地球や宇宙も、互いに物理的もしくは精神的に影響し合い、循環し、今この瞬間も気づかないほどにゆっくりと進化している。

 This story is a fantasy that depicts the destruction of the human race to the collapse of the earth, but it is also a wake-up call to the real world. 
Through this story I represent a “vision” and “hope” for our new future.
In the year 2020, humanity is in turmoil, body and soul are invaded, and the world has been changed. 
Feeling a sense of crisis, I conceived of the story “Universe in the earth” and linked “Katamari sculpture,” that is the subject of my work. 
The first chapter was exhibited in 2021 and we are now in the fifth chapter.
Chapter Ⅰ “Universe in the earth”, Chapter Ⅱ “New continent”, Chapter Ⅲ “Kaijin’s Garden”,Chapter Ⅳ “New-Kaijin & Kaiju”, Chapter Ⅴ “Good-by Earth”
We humans, the earth, and the universe are all physically or spiritually influencing each other, circulating, and evolving so slowly without us noticing.

松本誠史
HP:https://www.seiji-matsumoto.com/
Instagram:seig_matsumoto@instagram.com
YouTube:https://youtu.be/S4i5vr3-pis

中屋敷 智生 Information

Folklore / 2024 / Oil, acrylic, solid marker, tape on canvas / 910 × 730 mm

この度、ASK + POST 所属作家の中屋敷智生は、11月23日(土) から12月14日(土) までの期間、“YIRI ARTS”(台北, 台湾)にて、中屋敷智生個展「内と肉」を開催いたします。
https://nakayashiki.wixsite.com/tomonari

中屋敷 智生 個展
「内と肉 | 內與肉 | Inner Flesh」

​会 場:YIRI ARTS 伊日藝術計劃 B1
会 期:2024年11月23日(土) – 12月14日(土)
休廊日:日曜日、月曜日
時 間:14:00-19:00
場 所:台北市内湖区新明路 86 巷1号 114030​
M a i l :gallery@ms.yiri.com.tw
W E B :https://yiriarts.com.tw/
Works:https://privateviews.artlogic.net/2/16e5c16a0c4a84d4f05ff2/
主 催:YIRI ARTS
レセプション:11月23日(土) 15:00-19:00

■ ​ギャラリー・インビテーション:YIRI ARTS
中屋敷 智生 | NAKAYASHIKI Tomonari
1977年大阪府生まれ、京都市在住。2000年に京都精華大学美術学部造形学科洋画分野を卒業して以来、国内外の展覧会やアートフェアに多数参加してきました。また、作家活動の傍ら、アーティスト・ラン・オルタナティブ・スペースの運営や、グループショーなどの企画も手がけています。

近年は、絵具と同じ画材・メディウムとしてマスキングテープを使用しており、コラージュのようなレイヤーとテクスチャーを持つ絵画作品を数多く発表しています。図と地の関係が常に入れ替わるようなこの手法によって、対象を視覚的に認識することの不確かさや、絵画と鑑賞者という伝統的な二元論を超えた絵画作品のあり方を探求しています。この機会にご高覧いただけますと幸いです。

■ ​内と肉:中屋敷智生
ある日の散歩道で、「内と肉という字は似ているなあ」とぼんやり考えていました。そこで、わたしは「内と肉」の関係について考察を深めてみることにしました。

「内」と「肉」という字は、形状が似ているだけでなく、意味の面でも共通点があるように思えます。それは、両者のベクトルがいずれも内側へ向いているという点です。しかし、内側へのベクトルがそれ単体で成立することはなく、対照となる外側の存在が必ず前提されています。内と外は互いに依存し、対立することで共存するのです。

この視点を、わたしは西田幾多郎の「場所」という哲学的概念から学びました。「場所」とはすべての存在が現れる基盤であり、主体と客体、内と外、肉体と精神といったあらゆる対立を超えた場です。「場所」は対立を許さず、すべてが一体となる土台であるため、ここでは内と外が融合しているのだと考えられます。

絵画に向けるまなざしも同様に、内と外を同時に含み持っています。そのまなざしは、一見すると自分の外側にある客体としての絵画へ向けられているかのように思えますが、実は主客を超えて存在するものです。絵画とは、こうした純粋なまなざしを可能にする「場所」なのであり、わたしの絵画もまた、このようなまなざしが漂う場であって欲しいと願っています。

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■ ​About 中屋敷 智生
1977年出生於大阪府,目前居住於京都市。2000年畢業於京都精華大學美術學部造形學科西畫領域,自此以來積極參與國內外的展覽與藝術博覽會。此外,在藝術創作之餘,也參與經營藝術家自主運營的替代空間,並策劃團體展覽等活動。

近年來,藝術家運用與繪畫顏料同樣作為媒材的美術膠帶,創作出大量具有拼貼效果的分層與質感的繪畫作品。透過這種手法,圖與底的關係不斷相互交替,探討了對對象視覺認知的不確定性,以及超越傳統繪畫與觀賞者之間二元對立的新表現方式。

​■ ​內與肉:中屋敷 智生
有一天散步時,我漫不經心地想到:「內與肉這兩個字真是相似啊。」於是,我決定深入思考「內與肉」之間的關係。

「內」與「肉」這兩個字,不僅在字形上相似,在意義層面似乎也有共通之處。這共通點在於,兩者的向量都指向內部。然而,指向內部的向量並非單獨成立,外部的存在必然是其前提條件。內與外彼此依存,透過對立而共存。

這一觀點,我是從西田幾多郎的哲學概念「場所」中學到的。「場所」是所有存在顯現的基礎,是超越主體與客體、內與外、肉體與精神等一切對立的場域。由於「場所」不允許對立,而是一切融合為一的根基,因此可以認為在這裡內與外是融為一體的。

對於繪畫的凝視也是如此,它同時包含內與外的元素。這凝視表面上似乎是指向作為客體的繪畫——即自身之外的事物,但事實上它是超越主客對立而存在的東西。繪畫是使這樣純粹凝視成為可能的「場所」,而我的繪畫同樣希望成為這樣一個凝視流動的場域。

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■ ​About  NAKAYASHIKI Tomonari
Born in Osaka Prefecture in 1977 and currently residing in Kyoto City, I graduated from the Kyoto Seika University School of Fine Arts, majoring in Western Painting, in 2000. Since then, I have participated in numerous exhibitions and art fairs both domestically and internationally. Alongside my artistic activities, I also manage an artist-run alternative space and organize group shows.

In recent years, I have been using washi tape as a medium, just like paint, resulting in a series of paintings that feature layers and textures reminiscent of collage. Through this technique, where the relationship between figure and ground constantly shifts, I explore the uncertainties of visual perception and seek to transcend the traditional dichotomy of painting and viewer. I would be grateful for the opportunity for you to take a look at my work.

■ ​Inner Flesh:NAKAYASHIKI Tomonari
One day, while out for a walk, a thought casually crossed my mind: “The characters for ‘inner’ (內) and ‘flesh’ (肉) are strikingly similar.” This sparked my curiosity to delve deeper into the connection between these two words.

The characters for “inner” and “flesh” are not only visually alike but seem to share a conceptual similarity as well: both point inward. However, this inward orientation cannot exist in isolation; the presence of an external counterpart is a necessary precondition. The inner and the outer are interdependent, coexisting through their opposition.

This perspective draws from the philosophical concept of “place” (場所) introduced by Nishida Kitaro. “Place” serves as the foundation for all existence to manifest, transcending dichotomies such as subject and object, inner and outer, body and spirit. In this context, “place” dissolves opposition, functioning as the root where all becomes one. Thus, within this framework, the inner and outer are unified. 

The act of gazing at a painting operates similarly, encompassing both inner and outer elements. At first glance, this gaze seems directed outward, toward the painting as an object—something external. Yet, in truth, it transcends the dichotomy of subject and object. Painting creates the “place” where this pure gaze becomes possible, and I aspire for my works to embody such a space where the flow of gazes converges and intertwines.