【報告】吉仲 太造展 トークイベント・YouTube 公開

2019年4月29日(月) Alt Space POSTにて開催された「吉仲太造展 ~吉仲太造の70年代~ 宮岡俊夫コレクションから 」のトークイベントの模様をYOUTUBEにアップしました。

出演:宮岡 俊夫(画家) 
  光田 由里(美術評論家)
吉仲太造の研究をされている美術評論家の光田由里さんを
ゲストに迎え、吉仲太造の70年代の仕事を振り返りました。

吉仲太造展トークイベント① 宮岡 俊夫(画家)編

吉仲太造展トークイベント② 光田 由里(美術評論家)編

吉仲太造展トークイベント③ 質疑応答 編

中川 トラヲ個展 / それの終わり、ただ賑やかな道

中川 トラヲ個展 / それの終わり、ただ賑やかな道
NAKAGAWA Torawo / That Being Done, I Calmly Walk Down the Lively Street

2019年10月 19日(土) – 11 月 10日(日)
土曜・日曜のみオープン
開廊時間:13:00 – 19:00
主 催:Alt Space POST
後 援:Atelier Share Kyoto, ART OFFICE OZASA
※駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用頂くか、お車でお越しの際には近くのコインパーキングをご利用ください。

・オープニングレセプション:10月 19日(土)18:00 – 20:00

・トークイベント(申込不要、ワンドリンク制 500円)
「美術のトレンド、そもそもトレンドって一体何?」
11月 3日(日) 17:30 – 19:00
出 演: 中川 トラヲ(画家) 
  林 勇気(映像作家)
映像作家の林勇気さんをゲストに迎え、美術のトレンドについて考察します。

【概要】
絵画とはなんだろうか?
どこまで切り分けたら絵画の限界がやってくるのか
近年はそういうことを考えながら限界を模索してきた。
今回の作品展示は
2017年から始めた新作のシリーズで
規定の形にとらわれない絵画というものを作ればどう見えるのだろう?
幾何学形態でもない、決められた形でもない平面を作ることで
“窓”や”鏡”と言われる絵画の性質を違う視点からどう見えるのかを確かめたい。
そのような狙いで制作された作品の展示です。

【ステートメント】
気がつくと深夜2時には何か物思いにふけっている
漠然とした不安、根付いていないことへのものだと思うが。
形のないものは大きさが無い。なのでうっかりすると無限大になってしまい
自分を苛むことになってしまう。
客観的に言えばどんなに大きくなっても基本的には自分の大きさ以上にはなりようも無いと思うのだが。
ネガティブな感情は得てして肥大化してしまうものだと思うのだ(なんとなくだけど)
ネガティブじゃ無いものが肥大化するときはすごいことが起こる時が多いように思える。
最たるものは宇宙(まあ”無”なんだけどね)でそのほか音楽や美術もそう(だと思いたい)
無限大に肥大化してもいいことしかないとかすごい。
美術作家はこれから数十年で絶滅するかもしれないそんなふうにTwitterで言ったのが2007年の夏であれから12年ほど経っている。
確信になってはいないが終わりはじわじわと目前に迫っているような感じもする。
深夜2時に起きて物思いにふける
そんな毎日だ。
中川トラヲ 2019、8月5日

【中川 トラヲ CV】
1974 大阪府生まれ
1997 成安造形大学卒業
京都市在住

個展
2017 “Break Even Point” 児玉画廊|東京, 東京
2013 “Plastic Art” 児玉画廊|東京, 東京
2012 “hysteresis” 児玉画廊|京都, 京都
2011 “ポストスクリプト” 児玉画廊|京都, 京都
2010 “しじまからことといへ” 児玉画廊|京都, 京都
2008 “おとなう” 児玉画廊|東京, 東京
2007 “空気の砦” 児玉画廊, 大阪
2006 “日々の手入れ” 児玉画廊|東京, 東京
“妄想の賜物” 第一生命南ギャラリー, 東京
2005 “極小の出来事が僕の行動を決定する” 児玉画廊, 大阪
2004 “心境はいつも一緒” 児玉画廊 | 東京, 東京
2003 “Soil” 児玉画廊, 大阪
2001 “休日の印象” CASO, 大阪
2000 “あなたが喜ぶようなエピソードを私は何も持っていない” 児玉画廊, 大阪
1998 “事象の地平線” gallery coco, 京都
1997 “個展” gallery coco, 京都
1996 “個展” gallery coco, 京都

グループ展
2017 “ignore your perspective 39「気になる話」“児玉画廊 | 東京, 東京
2016 “ignore your perspective 34「風景の空間」“児玉画廊 | 東京, 東京
2015 “ignore your perspective 30「CHAIN REACTION」”児玉画廊 | 東京, 東京
2014 “Kodama Gallery Collection”(児玉画廊|京都)
2013 “周縁からのフィールドワーク”京都造形芸術大学ギャルリ・オーブ
2011 “multiple”Prinz,京都
2009 “drowning room” 神戸アートビレッジセンター, 兵庫
2007 “Portrait Session”広島現代美術館
2006 “夢の中の自然ー昭和初期のシュルレアリスムから現代の絵画ー” 群馬県立館林美術館, 群馬
“ignore your perspective 2” 児玉画廊, 大阪
2005 “ignore your perspective” 児玉画廊 | 東京, 東京
“VOCA展2005” 上野の森彫刻美術館, 東京 (奨励賞)
“京都府美術工芸新鋭選抜展” 京都文化博物館, 京都
2004 “タイム・オブ・マイ・ライフ” 東京オペラシティアートギャラリー, 東京
2003 “works on paper” 児玉画廊, 大阪
2001 “3 BOOTHES” 児玉画廊, 大阪
2000 “Incubation 00” 京都芸術センター, 京都
1999 “Doughnut” On Sundays, 東京
“FLOW” 児玉画廊, 大阪
“KYOTO ART MAP 1999 国谷隆志/中川トラヲ” gallery coco, 京都
1998 “BestBetPaint” gallery coco, 京都 
“ZP2” Voice Gallery, 京都
1997 “PANZER KUNST” gallery coco, 京都
“神戸アートアニュアル ’97 -art port-” 神戸アートビレッジセンター, 兵庫

Joel STEWART × YAMAGUCHI Takuya 『The echo of songs』

▪️ ジョエル・スチュワート × 山口 卓也 『The echo of songs』

【会場】Alt Space POST(A.S.K. ーAtelier Share Kyoto内1階)
【会期】2019 年 9 月 6 日(金)ー 9 月 8 日(日)
【時間】11:00 -18:00
【住所】〒615-0055 京都市右京区西院西田町12 YAEMONビル
【最寄り駅】阪急 西京極駅より徒歩10分
京都市バス 京都外大前より徒歩7分
京都市バス 京都光華女子学園前より徒歩6分
※駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用頂くか、お車でお越しの際には近くのコインパーキングをご利用ください。
【主催】Alt Space POST
【協力】ART OFFICE OZASA、A.S.K. ーAtelier Share Kyoto
【概要】「The echo of songs alt space 」
Alt space POST はこれまで、企画展、戦後美術史勉強会、ポートフォリオセッション、トークイベントなどを不定期に行い、アーティスト主導で実験的に展開できる場づくりを目指してきました。今回は、伝統的な技法を主体としながら、それぞれ独自の表現を展開するジョエル・スチュアートと山口卓也による二人展を開催します。ペインティングと写真、メディアの違いを超えて共鳴し合う両者の作品を是非ご高覧ください。

▪️出品作家
ジョエル・スチュワート / Joel STEWART / 絵画

山口 卓也 / YAMAGUCHI Takuya / 写真

Featured Exhibition
Joel STEWART × YAMAGUCHI Takuya 『The echo of songs』

2019.9.6–9.8, 11:00–18:00

In Alt space POST we have held events like invited artists exhibitions, a study group of post war art history, portfolio sessions and public talks on a varying schedule. We are aiming to create an artist-run space where artists can experiment. This time we are happy to introduce a two-person exhibition by Joel Stewart and Yamaguchi Takuya, who develop their own personal expressions based on traditional techniques. Please have a look at the works that resonate beyond the differences between painting and photography.

Joel STEWART caption: My friend’s backyard, 2016, watercolor on paper, mounted on wood, 60.5cm x 60.5cm ©️ Joel STEWART 
Yamaguchi Takuya caption: Uncertain curtain, 2019, pigment print ©️ YAMAGUCHI Takuya

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A.S.K. -Atelier Share Kyoto + Alt Space POST / https://alt.space-post.org/contact/ (Alt Space POST, Website お問い合わせフォーム) or 山口 卓也 / tick.tack.taku.0214@gmail.com

KOREA / JAPAN ART Communications 韓日藝術通信 2019 「温度 / 온도(オンド)」 終わらない対流

【展覧会のお知らせ】
A.S.K. ーAtelier Share Kyoto+Alt Space POSTと2015年より交流している韓国、清州のアーティストグループ「SAEM」主催の展覧会のお知らせです。
本展覧会にはAlt Space POSTのメンバーの参加、また協力もさせていただいております。

会場:清州市立美術館梧倉ギャラリー
会期:2019年9月3日(火) – 9月15日(日)
開廊時間:10:00 – 19:00 (土日:10:00 – 18:00)
休廊日:月曜日
住所:102 Ochanggongwon-ro, Ochang-eup, Cheongwon-gu, Cheongju-si, 28120, KOREA 
電話:+82-(0)43-201-2650 
主催:芸術文化洞人 SAEM
協賛:忠清北道、忠清北道文化財団

トークイベント:9月3日(火) 15時30分〜
トークゲスト:韓国 / イ・ユンフイ(清州市立美術館学芸室長)、日本 / 高嶋慈(評論家)
オープニングレセプション:9月3日(火) 17時〜

展覧会後に寄せていただいたテキスト:高嶋慈(美術批評)

​出品作家
裵 相順|BAE Sangsun
井上 裕加里|INOUE Yukari 
入佐 美南子|IRISA Minako
河村 啓生|KAWAMURA Norio
来田 広大|KITA Kodai
宮岡 俊夫|MIYAOKA Toshio
長島 聡子|NAGASHIMA Satoko
中屋敷 智生|NAKAYASHIKI Tomonari
奈良田 晃治|NARADA Koji
鮫島 ゆい|SAMEJIMA Yui
シュヴァーブ・トム|SVAB Tomas
寺岡 海|TERAOKA Kai
宇野 和幸|UNO Kazuyuki
山本 直樹|YAMAMOTO Naoki
최부윤|CHOI Booyun
최민건|CHOI Mimgun
강완규|KANG Wankyu
고헌|KOH Hon
리우|LEE Woo
박진명|PARK Jinmuyng
박영학|PARK Younghak
이충우|YICHOONG Woo
윤덕수|YUN Duksu

​概要
「温度 / 온도(オンド)」 終わらない対流 
当展覧会「韓日藝術通信」は、日本と韓国の相互理解、および両国の未来に対する新しい可能性の提示のため、日韓の美術家たちが集まり、互いの制作活動および作品を通して文化交流を図る試みです。2015年、韓国、清州のアーティストグループ「Saem」(セム)が来日したことをきっかけにスタートしました。以降、毎年、日韓での展覧会開催を通して2019年へと続いています。 今回のテーマは日韓で同じ音と意味をもつ「オンド (温度 / 온도)」です。 この言葉の背景には、日韓の参加者が制作活動で重要視していることの違い、その温度差にこそ、この集まりの特徴があり、価値があるのではないか。そのような視点が含まれています。「美」や「伝統」に対する温度差。「社会」や「歴史」に対する温度差。「芸術」そのものに対する温度差。芸術作品の多様さとは、それら温度差から生まれる価値観の多様さでもあるのです。 流動的な環境下では、温度差は対流という流れを生み出します。均一に混ざり合えば対流は終わりますが、芸術の対流はそうはいきません。作家と作品のもつ温度が、隣り合う別の温度に流れ込む時、また別の温度と温度差を生み出して新しい対流となっていく。その運動に終わりはなく、同じ対流もないのです。 日本と韓国の温度差。そして作家それぞれの温度差。ここに生まれる芸術の対流は、西洋を中心とする「アート」の対流と果たして同じものなのでしょうか。日韓だから生まれる対流。アジアだから生まれる対流。その行く先を感じていただける展覧会であれば幸いです。

OPEN STUDIO ×10

*English

「OPEN STUDIO ×10」

アーティスト運営のAlt Space POST(オルタナティブスペース・ポスト)が主催するオープンスタジオは今年で3回目を迎えます。
今回の「Open Studio ×10」では、京都市内に点在する10ヵ所の共同スタジオを同時期に開放し、絵画・ 彫刻・陶芸・染織・織物・写真・デザイン・服飾・ジュエリーなど、現代アートから伝統工芸までの多岐にわたるジャンルのアーティスト46名が参加します。
普段はなかなか見ることできない制作現場やそこでの作品展示をこの機会に是非ご覧いただき、交流の場となることを願います。
Alt Space POST / 代表 :中屋敷 智生

【参加スタジオ】A.S.K. ーAtelier Share Kyoto+Alt Space POST / るびじゅ工房 / GURA / Ink / kyoto ceramic art studio tochin / スタジオ USA / ウズイチ スタジオ / ウズマキ スタジオ / VOSTOK / 山ノ外 スタジオ
【期間】2019 年 9 月 6 日(金)ー 9 月 9 日(月)
(各スタジオにより日時が異なります。詳しくはウェブサイトよりご確認ください。また各会場は駐車場がございませんので、公共交通機関をご利用頂くか、お車でお越しの際には近くのコインパーキングをご利用ください。)
【主催】Alt Space POST実行委員会(A.S.K. ーAtelier Share Kyoto内)
【協賛】ART OFFICE OZASA
【協力】一般社団法人HAPS
【後援】ICOM KYOTO 2019公益財団法人 京都文化交流コンベンションビューロー
【Website】https://alt.space-post.org
【Google Maps】https://goo.gl/maps/Rv5EF9aodmomYWMT9
【Ebook】https://indd.adobe.com/…/fd0e9beb-be94-444f-a77b-10a116979d…

▪️「OPEN STUDIO x 10に寄せて」 藏原 藍子(HAPS)

▪️イベント情報
○A.S.K. ーAtelier Share Kyoto+Alt Space POST
企画展:ジョエル・スチュワート × 山口 卓也 『The echo of songs』

○A.S.K. ーAtelier Share Kyoto+Alt Space POST
吉田 マリモ、ワークショップ:ミニキャンバス作り

○A.S.K. ーAtelier Share Kyoto+Alt Space POST
ケータリング : The Coffee Table

○A.S.K. ーAtelier Share Kyoto+Alt Space POST
展覧会 / Jarda(ヤルダ)

○るびじゅ工房
ワークショップ : 銀・天然石のオリジナルかんざし作り

○GURA
トークイベント : ものを残すための手立て – 絵画、現代美術の保存修復をめぐって

参加スタジオ紹介

■A.S.K. –Atelier Share Kyoto + Alt Space POST

■るびじゅ工房

■GURA

■Ink

■kyoto ceramic art studio tochin

■スタジオ USA

■ウズイチ スタジオ & ■ウズマキ スタジオ

■Vostok

■山ノ外 スタジオ


吉仲 太造展 

~吉仲 太造の70年代~
宮岡 俊夫コレクションから

2019年4 月 27 日(土) – 4 月 29 日(月)
※ 4 月 23 日(火) – 4 月 26 日(金) アポイントメント承ります
開廊時間: 12:00 – 18:00
主 催: Alt Space POST
企 画: 宮岡 俊夫
後 援: Atelier Share Kyoto, ART OFFICE OZASA
※駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用頂くか、お車でお越しの際には近くのコインパーキングをご利用ください。

トークイベント(参加無料、申込不要)
4 月 29 日(月) 15:00 – 17:00
出演: 宮岡 俊夫(画家) 
  光田 由里(美術評論家)
吉仲太造の研究をされている美術評論家の光田由里さんを
ゲストに迎え、吉仲太造の70年代の仕事を振り返ります。

【概要】
具体やもの派をはじめとして国内外で戦後日本美術の再評価がすすんでいます。
吉仲太造(1928~1985)は戦後間もない1950年代半ばから活動を開始し一貫して日本社会の変遷を裏側から見つめ続け批評的な作品を残した稀有な作家と言えるでしょう。
展覧会は主に吉仲太造の1970年代の仕事を中心に構成されます。
1970年前後は大阪万博、学生運動とその挫折、三島由紀夫の自殺に象徴されるように戦後日本社会の大きなターニングポイントだったと思いますが、その時期に吉仲はうつ病を発症しました。
岡本太郎が吉仲の逝去後開かれた回顧展に寄せた追悼文で“時代の潮流はアンフォルメル、環境芸術、もの派、等々、吉仲らの出発当時とは大分違った方向に展開していった。彼も孤独で、苦しい模索を続けてきたようだ”と語ったように、吉仲の70年代はもの派などの同時代の美術とは距離を取り孤独の中で様々な表現を模索していった時期でした。
またそれはうつ病に苦しみながらの懸命の思索と制作でした。本展覧会では油彩、ドローイング、シルクスクリーンなど様々な技法の作品が展示されます。そうした吉仲太造の70年代の作品を回顧するとともに、あらためて戦後日本美術における吉仲太造の仕事の意味について再評価する機会になればと思います。また、今回の展覧会の出品作品は主にアーティストの宮岡俊夫が収集したコレクションであり、個人コレクションの可能性を提案する展覧会でもあります。
宮岡 俊夫

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吉仲太造の研究者で美術評論家の光田由里さんと本展の企画者宮岡俊夫さんによるテキストです。

光田由里(美術評論家)

宮岡俊夫(画家)

【報告】「第1回美術会」企画:田中奈津子

先日「第1回美術会」無事終了いたしました。
予定時間を2時間近く超えて、5時間の長丁場でしたが、充実した時間になりました!
みなさま有難うございました。この場所で考えたこと、感じたことを燃料にして、また一年それぞれの美術活動を進めていきましょう!
今年は夏に絵の具の講習会、来年の年度末頃また第2回美術会を開催予定です。興味のある方は是非ご参加ください。
「美術会」とは、いろいろな美術に出会う機会という意味を込めてはじめた有志による研究会です。
普段はなかなかお互いに触れる機会の少ない作家活動以外のあらゆる美術教育、美術普及活動やワークショップなどを身近なレベルでお互いに報告し、話し合い、多様な美術実践を知ることで、現代社会における美術のひろがりを再発見し、つながりを深めて、またそれぞれの活動にフィードバックしていくことを目的としています。
現時点では教育や福祉、造形遊びなどの実践報告が充実しています。今後他の分野の中における美術のお話しなども伺えるとうれしいです。
田中奈津子

第1回美術会
日時 H30年3月10日14時より
場所 A.S.K. – Atelier Share Kyoto + Alt Space POST
発表者
天坊早希
山岡敏明
長友紀子
中屋敷智生
小野潤一
田中奈津子
車史噯
長尾圭
中道由貴子
他聴講2名

【報告】トークイベント「メキシコでのこと アートと文化人類学から」

トークイベント「メキシコでのこと アートと文化人類学から」は盛況のうちに終了することができました。

来田広大(現代美術作家)と荒井規向(ラテンアメリカ研究者)のそれぞれのメキシコでの経験から多くのことが語られ、共にフィールドワークという手法を用いて実践していることからいくつかの共通点も見出せたと思います。

なかでも荒井から研究テーマの「贈与」について多くのことが語られました。

「贈与」とは、あるコミュニティでの贈与・受容・返礼の関係性やプロセスであり(文化人類学者のマルセル・モースはアルカイックな社会のその仕組みから社会制度を活性化させるものとして「贈与論」を提唱しました)、現代のグローバル資本主義社会の中でラテンアメリカ先住民の伝統的な文化や贈与交換の体系を知るということは、様々な理由で閉塞感がともなう現代社会に対して一筋の光がさし込むものではなかったではないでしょうか。

発展主義の果てにある思考の脱植民地化としての多元的ユートピアとはどのようなビジョンなのか。また、そのような中でのアートの価値とは何なのか。貨幣だけで換算されるものではなく「贈与」の要素があったとしたら… などなど様々な議論が起こり話は尽きませんでした。

そして、今回のようなイベントが、アートの制作現場であるシェアスタジオで行われたことにとても貴重な出会いや意義があったのではないかと思います。

来田の作品に見られるように、遠く離れた場所や山の向こう側の風景に思いを馳せること、我々を(が)分断している境界線はどこにあるのかなども含めて、遠くメキシコの山間にあるコミュニティでの事象について身近に感じてもらえたなら幸いです。

お越しいただいた方々、そしてご協力いただいた皆様、どうもありがとうございました。